研究概要 |
1.瀬底島サンゴ礁において、炭酸系ダイナミクスの時系列変動の長期連続観測(15分後とに5年間)を継続し、ボックスモデルを構築して解析した。 2.海水中の二酸化炭素濃度(PCO2)、大気-海水間のCO2フラックス、群集レベルの有機・無機炭素生産の時系列変動の詳細を明らかにした。とくに、PCO2を含む炭酸系成分の変動が、太陽の運行周期ではなく、月や潮汐の運行周期と調和した周期で変動することがわかった。本件についての投稿論文が2004年度の日仏海洋学会誌(LaMer)優秀論文賞の対象となった。(第10回国際サンゴ礁シンポジウム・2004,6月・沖縄、AGU秋期大会・サンフランシスコ・2004年12月、日本サンゴ礁学会・2004年11月・国士舘大学、にて発表。) 3.琉球列島の硬骨海綿骨格を構成する鉱物は高マグネシウムカルサイトであり、成長縞に沿ってMg/Ca比が季節変動することが示された。またプルトニウムや鉛などの重金属元素が特異的に濃縮されること、および炭素同位体^<14>C,^<13>Cとあわせて、硬骨海綿骨格が過去10年から数百年間の環境変動の指標として有効であることが示された。(第65回日本分析化学討論会・2004年5月・沖縄、にて発表) 4.サンゴ礁におけるラジカルの生成について日変動観測し、赤土汚染と関係することおよび日周変動があることが示された。(J.Oceanography 2005,accepted、分析化学2004、)。 5.レユニオン島のサンゴ礁において、炭酸系成分と二酸化炭素濃度の変動を測定し、瀬底島との比較をおこなった。また米国大気海洋起床局(NOAA)主催の沿岸環境の炭酸システムモニタリングのワークショップに招待され、モニタリング手法の問題点について議論した(ACT Meeting・2005年2月・ハワイ)。
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