研究課題/領域番号 |
15310018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
渡邊 達郎 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・海洋環境部, 主任研究官 (80360767)
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研究分担者 |
木所 英昭 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・漁業資源部, 研究員 (50371894)
井口 直樹 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・海洋環境部, 主任研究官 (00371899)
加藤 修 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所・海洋環境部, 室長 (70371896)
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キーワード | 日本海 / 中層循環 / LADCP / 海洋生態系 |
研究概要 |
15年度は、16年度の本格的観測実施へ向けた準備作業及び予備調査を行った。具体的には、1)日本海の中層循環場を実測するための主要な測器である懸架式超音波流速計(LADCP)のテスト及びデータ処理手法の確立、2)長期的な流動変動を把握するための係留系の設置、3)周辺海域の水塊構造の把握、4)オキアミ類幼生の分布と海洋循環場との関係の把握、等を行った。具体的には以下に示すとおりである。 1.LADCPのテスト・データ処理手法 LADCPの実体は、既存の小型ADCPをCTDフレームに取り付け、同時に降下させることにより水温・塩分と一緒に流速場を測定し、流速ゼロの海底直上から流速の連続性、GPSによる位置情報等を基に絶対流速を求める機器であり、中層における弱い流れも正確に測定することができる。今年度は、9月に行われた北米丸航海時にテスト観測を行い、機器の調整を行うと共に、データ処理手法の改良を行った。 2.流速計の回収・設置 9月に行われた北光丸航海時に、前年度設置した係留系を回収し、新たに極前線付近に係留系を設置した。 3.周辺海域の水塊構造の把握 7月に行われた鳥海丸によるスルメイカ一斉調査時と9月の北光丸航海時に、CTD及び各層採水を行い、溶存酸素、栄養塩、クロロフィル等の分析を行った。 4.オキアミ類幼生の分布 7月及び9月の調査時にノルパックネット・ボンゴネットによるオキアミ類幼生の採集を行い、水塊構造及び循環場との関連性を調べた。その結果、指標としては冷水性オキアミのThysanoessa longipesが適しており、春季ブルーミングが終了した7月においても生後間もないカリプトピス期幼生が亜寒帯循環域を中心に分布していることが明らかとなり、循環によって受動的に幼生の移動が広範囲に行われていることが示唆された。
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