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2005 年度 実績報告書

グローバル化するIT(情報技術)と環境問題

研究課題

研究課題/領域番号 15310020
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 文和  北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (70113644)

研究分担者 寺西 俊一  一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30134878)
キーワードe-waste / IT / バーゼル条約 / リサイクル
研究概要

本研究では,グローバル化するIT(情報)技術と環境問題について,e-waste問題を中心に検討した.e-wasteとは,家電,コンピュータ,携帯電話など電子・電機製品の廃棄物の総称である.組み立てられた電子・電機製品を念頭に使用されている場合が多いが,蛍光灯や乾電池,柱上変圧器,さらにはIC基板など部品,電子・電機製品を生産する際に発生する不良品などを含む場合もあり,必ずしも定義ははっきりしていない.アジア地域でも,日本や韓国,台湾などで,e-wasteのリサイクルに関する法制化が行われている.また,法制化が進んでいない地域でも,企業が自主的な回収リサイクル・プログラムに取り組むなどの努力を始めている.環境汚染を引き起こしながらリサイクルが行われている事例がアジア地域でもいくつか報告されており,適切な管理が求められている.本研究では,アジア地域のe-waste処理の状況を概観し,今後の方向性を検討した.
製造業者の自主的なe-wasteの回収リサイクルへの取組では,国際的に廃家電を貿易する事例がすくなくない.適切な処理業者が回収した地域に存在しているとは限らないからである.また,解体後に発生する再生資源についても,国際的に貿易されている.日本のテレビのリサイクルでは,洗浄済みのガラスカレットの輸出が必要となってきている.ブラウン管およびブラウン管ガラスの製造工場のアジア地域への移転が進んできており,日本国内で鉛を含有したブラウン管ガラスの再生利用先が限られてきているためである.2004年5月に日本政府は,洗浄済みガラスカレットをバーゼル条約の対象外と見なす方針をかため,日系のブラウン管ガラス工場が立地しているタイおよびマレーシアでも洗浄済みのブラウン管カレットをバーゼル対象外とするように,タイおよびマレーシアと交渉を行ってきた.「汚染性」に関する受け入れ国の関連省庁の懸念を払拭するための交渉に時間を要したが,バーゼル条約対象外として洗浄済みのカレットの輸出が認められる方向となり,2005年5月にタイに,2005年10月からはマレーシア向けの輸出が始まってきている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 公害は科学観にどう影響したか2005

    • 著者名/発表者名
      吉田文和, 吉田晴代
    • 雑誌名

      科学 第75巻第9号

      ページ: 1071-1075

  • [雑誌論文] 環境再生とまちづくり2005

    • 著者名/発表者名
      吉田文和
    • 雑誌名

      日本公衆衛生雑誌 第52巻第8号

      ページ: 82

  • [雑誌論文] 特別企画 中国の衝撃と世界システムの変容--日本、アジア、世界はどうなる(第10回)地球環境を左右するアジアの動向と行方 環境協力ネットワークの多角的推進が急務2005

    • 著者名/発表者名
      寺西俊一
    • 雑誌名

      日本経済研究センター会報 936号

      ページ: 4-11

  • [雑誌論文] これからの環境研究に期待したいこと-環境経済・政策学会発足10年を振り返って-2005

    • 著者名/発表者名
      寺西俊一
    • 雑誌名

      環境再生-環境経済・政策学会年報 10

      ページ: 155-172

  • [図書] The Cyclical Economy of Japan2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Fumikazu
    • 総ページ数
      144
    • 出版者
      Hokkaido University Press
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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