研究課題/領域番号 |
15310021
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
増田 優 東京農工大学, 工学部, 教授 (50359684)
|
研究分担者 |
大久保 明子 東京農工大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00361741)
高月 峰夫 財団法人化学物質評価研究機構, 安全性評価技術研究所, 所長
大塚 雅則 財団法人化学物質評価研究機構, 安全性評価技術研究所, 研究企画部長
|
キーワード | 化学物質 / リスク / 環境 / 評価指標 / 政策 / 企業の社会的責任 / 社会的責任投資 / 化学物質総合管理 |
研究概要 |
本研究は社会全体の化学物質総合管理体制を向上させることを目的に、自主管理の促進に資する化学物質総合管理に関する評価指標の開発を目標とする。 3年の研究期間の初年度である本年度は、評価指標の基本コンセプトの検討を行った。関連する国内外の動向調査として、アジェンダ21第19章以降の化学物質管理の国際的展開を調査した。更にバンコクで開催された化学物質管理の政府間フォーラムIFCS IVに参加し、ハザードの分類・表示に係るGHSの実施に向けた課題の分析を行った。また、昨今の環境に係る企業行動評価(いわゆる環境格付け)について調査を行い、化学物質に関する評価の観点が主に排出量や製品の環境負荷に留まることを確認した。 一方、企業行動に関する基礎調査として化学系企業100社以上を対象にMSDSへの取組みに関するアンケート調査を実施した。詳細な分析は来年度の予定であるが、アンケート回答結果から、企業によるMSDSの自主的発行が進展しているのに対して、掲載されるハザード情報(健康有害性情報)の科学的根拠や化学物質総合管理に係る社会インフラを含めた人材・体制面に課題があること等が見出された。 以上の調査活動より、開発目標とする評価指標の基本体系として、化学物質のリスク管理に必須である科学的基盤を評価するScience軸、国際的に急展開する化学物質管理に関する情況に適応できる人的及び組織的能力を評価するCapacity軸、そして社会に対する直接的な行動の成果(結果)を評価するPerformance軸の3軸を設定するに至った。この3軸のコンセプトはアジェンダ21第19章を基調とする化学物質管理の枠組みに整合しており、国際的論拠を有するものである。今後、この3軸のコンセプトに基づいて、評価手法の具体化を試みていく。
|