研究課題/領域番号 |
15310026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
上野 達彦 三重大学, 人文学部, 教授 (40115689)
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研究分担者 |
西村 智朗 三重大学, 人文学部, 助教授 (70283512)
鹿嶋 洋 三重大学, 人文学部, 助教授 (50283510)
朴 恵淑 三重大学, 人文学部, 教授 (10273343)
山本 真吾 三重大学, 人文学部, 助教授 (70210531)
豊島 明子 三重大学, 人文学部, 助教授 (10293680)
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キーワード | 四日市公害 / 四日市学 / 東北アジア(日中韓ロ) / 国際環境協力 |
研究概要 |
「四日市公害の現代的評価と東北アジア(日中韓ロ)の国際環境協力」の研究テーマについて初年度の平成15年度の主な研究業績は次のようである。 (1)四日市公害問題はもはや解決済みの過去の問題となっているのか、もしくは現在進行型として存在しており、四日市市が過去の公害のまちから未来の環境保全都市へ転換をはかる際にどのようなパラダイム・シフトを必要とするのか?について、「学際的・総合環境科学研究としての四日市学」を提唱し、学際的・総合環境科学研究を網羅するツールとして四日市学を確立した。具体的に、法制度大気環境学・疫学・地域経済学・文学・環境倫理学的な側面からの研究及び地方自治体・大学の取り組みについて考察した。その成果として、2004年1月に上野達彦・朴 恵淑編著「環境快適都市をめざして-四日市公害からの提言、中央法規出版社、342頁」を出版した。その他に、2004.3.に上野達彦「旧ソ連邦諸国の新刑法典における環境犯罪、法経論叢(三重大学社会科学学会)、第21巻、第2号、273-293」を発表した。 (2)環境の世紀・アジアの世紀といわれる21世紀に入った現在、韓国の大現模産業団地のウルサン・温山地域での温山病や中国や極東ロシアの重化学工業地域で見られる、かつての四大公害問題の複合型ともいえる公害問題は、日中韓ロの環境外交間題(Environmental Diplomacy)として位置付け、四日市公害問題の教訓を活かしたどのような国際環境協力が期待できるのか?について、「環境外交のツールとしての四日市学」を提唱し、狭い意味での地域に限定されるものとしての四日市公害問題ではなく、より広域的で、グローバルなものとしての四日市学を確立した。具体的に、8月に韓国の大規模産業団地において日本の4大公害の複合型と言われる公害病「温山病」が顕在するウルサン・温山・麗水産業団地の現地調査を行う一方、2003年10月17日には「日韓国際環境シンポジウム・四日市公害からアジアへ」を開催した。三重大学の研究者のみならず、韓国の共同研究者4名を招いて両国の環境問題の実態について報告し、日中韓ロを含む東北アジアの環境問題の解決のための国際環境協力のあり方について議論を行った。約200名の一般参加者が集まり、四日市教訓を世界に活かすために国際環境ネットワーク構築が必要不可欠である認識の共有ができた。
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