研究課題
本年度は、研究分担者が個別の専門分野の研究を進めることに加えて、極東アジアとの環境協力の方向性を見極め、実践するために、中国および韓国からの専門化を招き、国際シンポジウムを開催した(本年で4回目となる)。2004年7月24日、三重大学講堂小ホールで開催された、「「四日市学」-四日市公害問題の再評価と国際環境協力;四日市公害を語る・観る・学ぶ・未来へ繋ぐ-三重四日市からアジアへ-」と題する同シンポジウムでは、150名の聴衆を集め、隣国の韓国や中国の環境問題の現状と課題、また、四日市公害問題の教訓をアジアの環境問題へ活かすための国際環境協力のあり方を探った。特に四日市公害の克服に対する市民、行政および企業の対応に対する再評価の必要性が強調されると共に、環境教育の理念について強い関心が寄せられた。また、2004年8月4日〜20日にかけて、研究分担者(山本、西村、豊島を除く)と韓国からの研究協力者で、韓国・中国・極東ロシアの環境問題の現状及び課題調査をおこなった。中国(吉林省延辺地域)では日本の技術力および資金力に強い期待感が寄せられた。また、ロシア(ハバロフスク)では、日本海への原潜不法投棄やアムル川の水質汚濁など、海洋・河川の環境破壊の実情が明らかにされた。さらに韓国(ソウル地域)では、産業振興の影響により、工業団地における複合公害の問題が深刻化しつつあることが指摘された。いずれも、日本の協力無くして解決が困難な問題であると共に、放置しておけば、日本自身にも深刻な被害が及ぶ問題であるという共通認識が得られた。これらの調査結果を踏まえて、最終年である次年度に向けて、各国の環境問題研究者とのより一層の協力体制が必要であることを確認した。
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三重大学人文論叢 22号
ページ: 1-21
地球環境条約(西井正弘編)(有斐閣)
ページ: 382-405
三重大学法経論叢 第22巻2号(印刷中)
三重大学人文論叢 22号(印刷中)
社会科学研究(東京大学社会科学研究所) 57巻1号(印刷中)
三重大学法経論叢 第22巻1号
ページ: 43-68
East-North Asia HUB and Eco-City Incheon : Vision and Role
ページ: 1-11
経済地理学年報 51巻4号
ページ: 310-324