研究課題/領域番号 |
15310033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 哲郎 筑波大学, 社会医学系, 教授 (20111370)
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研究分担者 |
伊東 健 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (10323289)
柳川 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10312852)
熊谷 嘉人 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00250100)
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キーワード | ヒ素 / キノン / パーオキシレドキシン / A170 / Nrf2 |
研究概要 |
(1)ディーゼル含有キノン、フェナントラキノン(PQ)が強い細胞毒性を持つこと、そして、金属結合試薬フェナントロリンがPQの細胞毒性をほぼ完全に防ぐことを見出した。さらに、PQの毒性に関連して酸化ストレス防御系タンパク質群が特異的に分解される現象を見出した。この研究成果は、日本生化学大会、日本衛生学会総会などで発表した。現在、投稿論文を作成中である。 (2)無機砒素化合物が抗酸化防御系を制御する転写因子Nrf2を活性化することを明らかにした。さらに、骨芽細胞において無機砒素化合物特異的にストレスタンパク質ユビキチンで修飾されたA170が著しく蓄積する新しい現象を見出した。Nrf2の活性化とユビキチン化A170を用いた砒素細胞毒性の定量評価の可能性が示唆された。本研究成果は、BBRC誌に発表し、日本生化学大会、日本衛生学会総会などで発表した。 (3)動脈硬化発症に関連する新知見として、酸化ストレスで産生される酸化LDLやハイドロキシノネナールがNrf2を活性化し、Nrf2が酸化LDLの受容体であるCD36の発現制御を行うことを初めて見出した。本研究成果は、ロンドン大学キングスカッレッジMann教授との共同研究でありCir.Res誌に発表した。 (4)Prx I、A170遺伝子破壊マウスの作成に成功し生活習慣病モデル動物として解析する準備ができた。いずれの遺伝子破壊マウスともに繁殖可能であり、顕著な表現系は見られていない。C57BL株との交配を進め、野生型との違いを検討中である。また、繊維芽細胞や血管平滑筋細胞を分離して種々の実験に用いることを計画中である。平成16年度の研究成果が期待できる。
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