研究課題
本研究は、平成15年から17年に分子インプリント機能とフイルター機能を融合させた素材を用いていることで、いわゆる内分泌攪乱物質等の環境汚染物質にだけテーラーメイドした素材を創製し、それを膜やフイルターまたはフイルムといった形状に加工し、その応用の範囲を検討することにある。本年度は我々が独自に開発した相転換インプリント法を、ビスフェノール類、フタル酸エステルやニコチンといった種々の内分泌攪乱物質に適応した分子インプリント機能を付与した材料を開発した。現在、さらにこの機能を高度化し様々な内分泌攪乱物質への適応を拡張すると同時に、その適応範囲を水系、溶液系から気相系へと広げた全く新しい分子インプリントフイルターの実用化のための研究を継続的に行っている。特に、従来に分子インプリント素材をハイブリット化してフイルター化する新たな手法を開発、確立し現在、水系のみならず、ガス系での内分泌攪乱物質を選択吸着する系の技術的な確立を目指している。また、気相、液相において適応できるフイルターの開発が不可欠であり、ガラスフイルターをインプリントバインダーで複合化した素材開発にも成功した。この素材は、ニコチンをインプリントしており、気相系においてニコチンを選択的に捕捉できる機能を有することが明らかになった。これらの結果を踏まえ、最終年度である次年度には更に、これらの基盤技術を発展的に応用し、新たな内分泌攪乱物質を認識捕捉できる機能を有するハイブリッド分子インプリントフイルター技術の確立をめざす予定である。
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Science Technology of Advanced Materials (印刷中)
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