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2003 年度 実績報告書

組換え修復遺伝子のヒト細胞における機能解析による放射線感受性予測

研究課題

研究課題/領域番号 15310039
研究機関広島大学

研究代表者

宮川 清  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40200133)

キーワード放射線感受性 / 相同組み換え / ゲノム不安定性 / DNA修復 / 乳がん / 染色体異常
研究概要

個人の放射線感受性予測は、放射線被ばくにおける急性放射線症候群に対する治療法の決定に重要な情報をもたらすのみならず、晩発障害としての発がんリスクの予測にも極めて重要である。また、がんの放射線治療においては治療による副作用の防止のためにも放射線感受性予測は有用である。放射線感受性にはDNA二重鎖切断修復機構が大きく関与することから、この修復に重要な相同組換え修復のヒト細胞における機能解析を行っている。相同組換え修復においてRad51は中心的な役割を果たすが、哺乳動物の体細胞にはRad51と構造的に類似したRad51パラログが5種類存在する。Rad51パラログの一つXRCC3の生物学的機能を明らかにするために、ヒト大腸がん細胞株においてノックアウト細胞を作製した。DNA架橋剤に対する高感受性,姉妹染色分体交換の低下、放射線照射後のRad51フォーカス形成の低下、染色体切断増加などの異常が欠損細胞で観察され、これらはXRCC3がRad51とともに相同組換え修復の早期過程に重要であることを示唆する。さらに、染色体倍加の頻度が欠損細胞では野生株と比較して有意に増加していた。その分子機構を解析した結果、複製の開始に必須であるRPAとXRCC3が直接結合することが明らかとなった。RPAの過剰発現は染色体倍加を促進し、XRCC3とRad52はこれを抑制することも判明した。このように、相同組換え修復機構はXRCC3、Rad52、RPAを介して複製の開始点を制御することによって、染色体を安定化することが明らかとなった。したがって、放射線感受性予測はこのような広いDNA代謝のネットワークの観点から解析されなければならない.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshihara, T.: "XRCC3 deficiency results in a defect in recombination and increased endoreduplication in human cells"The EMBO Journal. 23(3). 670-680 (2004)

  • [文献書誌] Ishida, M.: "Mnkl is required for angiotensin II-induced protein systhesis in vascular smooth muscle cells"Circulation Research. 93(12). 1218-1224 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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