研究課題/領域番号 |
15310049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
林 良茂 金沢大学, 工学部, 教授 (60019750)
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研究分担者 |
荻野 千秋 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00313693)
川西 琢也 金沢大学, 工学部, 助教授 (80234087)
元井 正敏 金沢大学, 工学部, 教授 (70019751)
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キーワード | 生分解性高分子 / 木質系廃棄物 / 炭素固定化技術 / 高機能性発泡高分子材料 / 廃棄系バイオマス / ゼロエミッション / 地域分散型 / 資源循環 |
研究概要 |
本プロジェクトは、地球上に最も多く存在する木質系廃棄物の有効利用と、環境調和型資源循環システム構築に係わるものである。石川県下の製材業が集まっている地域に着目し、木質系廃棄物を対象にしたゼロヱミッション処理システムの構築と地域環境保全の立場から、環境に優しい物作り、炭素固定化技術、並びに地域分散型廃棄物処理技術の確立を目指している。未利用木質系資源は炭素系有機物質であるので、素材として工業資源の利用拡大を図り(炭素固定化)、最終段階でエネルギーとして利用するプロセスを構築すると、効率的な炭素循環システムが期待できる。 化学処理を施さない無処理木材を(木質系産業廃棄物)を液化したものを原料とし、合成される環境負荷低減型新素材の機能制御と製造技術、及び用途開発を行う。そして、既存の発泡スチロール、ウレタンフォームの代替品として、付加価値の高い生分解性製品を得るための反応制御技術を確立し、最適な生産システムを構築する。 現在高気密・高断熱の住宅が要求されており、しかも自然系建築資材の要望が高まっていることに着目し、合成された生分解性高分子材料の建築用断熱材としての有用性を調べた。断熱材としての利用するために、熱伝導率を調査した結果、従来の断熱材(発泡スチロール、ウレタンフォーム)と同等の値を示していた。次に機械的強度を調査し、引張応力、圧縮応力に関しては、発泡スチロールを遙かに上回り、ウレタンフォームと同等の強度を示すことが判った。合成された発泡体の内部構造を電顕で調査した結果、気泡構造は独立気泡になっており、結露を防ぐことが出来ることが明らかとなった。合成された発泡体は耐水性があることを確認しており、建築用断熱材としての利用が十分に期待できる。 一方、反応条件に関しては、170℃で多価アルコールに木屑を溶解させ、平均分子量1500の液化物を得、それを原料として120℃の反応温度でイソシアネートと反応させると、均一構造の発泡体を期待できることが判った。合成された発泡体は木屑を原料としているため、可燃性を示すが,りん系難燃剤を添加すると、発泡体の自燃性を無くすることが出来た。
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