研究課題
本年度は、ヒ酸を亜ヒ酸に還元する能力を有するBacillus sp.SF-1を利用した新たなヒ素汚染土壌浄化のバイオレメディエーションプロセスの構築を目的として実験を行った。昨年度までに得られた結果に基づき、SF-1株を用いた土壌汚染バイオレメディエーションプロセスとして、回分式スラリーフェイズリアクター及び連続式土壌充填カラムリアクターを提案し、ラボスケールのリアクター実験通して、その有用性を確認した。SF-1株のリアクターへの最適植種濃度を検討した結果、初期菌体植種濃度が5.8×10^7 cells/mL以上ではヒ素の溶出量に顕著な影響はなく、リアクター構築に際して、高濃度の菌体が不要であることが明らかとなった。また、スラリーリアクターを想定して攪拌速度の影響を検討したところ、初期の溶出量には差があるものの、溶出開始120時間後には攪拌速度に関わらず、ほぼ同程度のヒ素溶出量が確認されたことから、スラリーリアクターとする必要がなく、処理コストの削減が可能であることが示された。以上の結果を基に、カラムリアクターを構築し、モデルヒ素汚染土壌の浄化試験を行った結果、14日間の運転後、約50%のヒ素除去率を得ることができた。さらに、ヒ素除去率の効率化を目的として各種実験を行い、リアクターへの流入培養液の水理学的滞留時間(HRT)を1日まで短縮可能であること、リン酸塩溶液による土壌洗浄と組み合わせることで、300mg-As/kg-soil程度の汚染土壌を土壌含有量基準(150mg-As/kg-soil)以下にまで浄化可能であることが示された。
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Biotechnology and Bioengineering Vol.93, No.4
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