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2005 年度 実績報告書

富栄養化海域の自立的環境修復を促す生態系工学技術(汎用性と藻場機能付加)の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15310058
研究機関徳島大学

研究代表者

上月 康則  徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)

研究分担者 村上 仁士  徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50027257)
倉田 健悟  島根大学, 汽水域研究センター, 助教授 (40325246)
水口 裕之  徳島大学, 工学部, 教授 (00035651)
キーワード葉上動物 / 大阪湾 / ワカメ / 環境修復 / 藻場 / 富栄養化
研究概要

平成17年冬季にワカメの種をつけたロープを尼崎の3つのプラントの床に設置し,(1)水質調査,(2)成長過程,(3)生物相について比較検討を行った.
(1)水質
ワカメの成長に最も影響の与える光量子束密度は,プラントA(DL-0.5m),プラントB(DL-1.0m),プラントC(DL-1.5m)の順に,115,110,87μmol/m2/secであり,水深が大きくなるにしたがって,その値は小さくなり,海藻の成長のための条件は悪化していた.
(2)成長過程
2004年12月設置時のワカメの藻長は7.6±3.6cmであった.2005年3月2日回収時にはプラントAでは58.6±31.6cm,プラントBでは60.0±37.4cm,プラントCでは50.0±27.3cmとそれぞれ成長していた.各プラントでのワカメの大きさを比較すると,プラントB,A,Cの順となっていた.プラントCで成長が悪かったのは,光条件が悪いためであるが,プラントAでは水深が浅く,波の影響を受けやすかったことがやや成長が悪かった原因と思われる.
(3)生物相
直立の壁面では,イソカイメン属,ウスカラシオツガイ,オウキムシロ科,カタユウレイボヤなど懸濁物を食する生物が優占していたが,ワカメの葉上では肉食生物のイボニシ,堆積物食生物のフトメリタヨコエビ,カマキリヨコエビ,クビナガワレカラなど多様な藻場に出現する生物が認められた.またワカメの乾燥重量と葉上動物の湿重量の間には正の相関が見られた.
以上のことから,藻場が消滅した大阪湾の湾奥であっても適当な浅場を設けるとワカメは生育し,そこに藻場特有の生物相が形成されることがわかった.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 小型水中カメラを用いた直立構造物における簡易的な付着生物調査方法の提案2005

    • 著者名/発表者名
      吉村 直孝
    • 雑誌名

      海洋開発論文集 21

      ページ: 241-246

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] アサリの水質浄化能に及ぼす地球温暖化の影響に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      金綱 紀久恵
    • 雑誌名

      海岸工学論文集 52

      ページ: 1036-1040

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Development of a New Type Seawall for Improvement of Material Cycle2005

    • 著者名/発表者名
      Junya Miyoshi
    • 雑誌名

      Recent Advances in Marine Science and Technology 2004

      ページ: 163-174

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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