研究課題
基盤研究(B)
本研究では、有機分子のバルク固体を粉砕することによってナノ粒子化する新しい手法として、液中レーザーアブレーション法に着目した。液中レーザーアブレーション法による有機ナノ粒子の生成過程を分光計測し、その機構解明を通して本手法の有機ナノ粒子作製技術としての有効性を示し、サイズが10nmの有機ナノ粒子の作製を目標に研究を進めた。代表的な各種有機顔料(全7種類)に対して、光源にナノ秒YAGレーザーを用いたナノ粒子化を行い、いずれの色素化合物についても安定なナノ粒子コロイド水分散液の作製に成功した。また、ナノ粒子の平均サイズが約50nm±10nmで、化合物にはほとんど依存しないことを明らかにした。光源にフェムト秒レーザーを用いた場合には、平均サイズ約15nmとなることをキナクリドン、フタロシアニンについて確認し、ナノ粒子のサイズがパルス幅によって制御できる可能性が示唆された。赤色顔料であるキナクリドンについて、ナノ粒子生成過程を定常、時間分解分光計測およびSEM観察により詳細に検討し、ナノ粒子の生成が高強度パルスレーザー照射による瞬時超加熱に基づく微結晶の粉砕によるものであることを明らかにした。レーザー照射により大きな結晶表面のナノ粒子の噴出と、結晶の分割・微細化が同時に起こること、および分散液中の微粒子の平均サイズと分布がレーザーショットともに小さくなりことを実験的に明らかにした。これらの結果をもとに、最終的な平均サイズが、微粒子のレーザー励起による光加熱と媒体(貧溶媒)への熱拡散による冷却速度との競合で決まるモデルを提案した。このモデルにより、粒子サイズに対するレーザーパルス幅、波長、強度依存性が定性的に説明できた
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