研究課題/領域番号 |
15310078
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研究機関 | 山口東京理科大学 |
研究代表者 |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (50011010)
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研究分担者 |
白石 幸英 山口東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60289303)
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キーワード | 金属ナノ粒子 / ナノクラスター / ナノテクノロジー / 三層コア / シェル構造 / 触媒 / 金 / 白金 / ロジウム |
研究概要 |
金属を超微粒子化すると、比表面積や表面エネルギーが著しく大きくなり、もとのバルクの金属とは異なった界面現象を示す。最近、直径1〜数10nmで、粒径がそろい、かつ一粒子中に二つ以上の金属を含む多元金属ナノ粒子が、ナノテクノロジーを支える次世代の材料として注目されている。それは、金属を合金化・複合化するとアンサンブル効果およびリガンド効果などにより、触媒反応の活性や選択性が向上するからである。我々は、水素を犠牲還元剤に用いて、任意のコア/シェル構造をもつ二元金属ナノ粒子を合成する方法を報告している。この犠牲的水素還元法を用いてPd-コア/Ag-シェル二元金属ナノ粒子分散液を調製し、これとRhナノ粒子分散液とを混合することにより、三重コア/シェル構造をもつPd/Ag/Rhナノ粒子が創製されることを昨年度報告した。 本年度は新たに金を内核に持つAu/Pt/Rh三元金属ナノ粒子の調製を行った。この三元金属ナノ粒子の構造をナノ粒子に吸着させた一酸化炭素のFT-IR測定により検討した。その結果、Au/Pt二元金属ナノ粒子ではAu固有のピークがほぼ消失し、Au/Pt/Rh三元金属ナノ粒子ではRhに起因するピークが現れていることから、三重コア/シェル構造の形成が示唆された。調製した金属ナノ粒子の水素化触媒機能を測定した結果、Au/Pt/Rh三元金属ナノ粒子は、他の単独や二元金属ナノ粒子に比べ極めて高い活性を示すという興味深い結果を得た。これは、調製した三元金属ナノ粒子が三層コア/シェル構造をとっているという考え方を支持するものである。三元化による触媒活性の向上は、Au←Pt←Rhの連続的電子移動の効果によるものと考えられる。
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