研究課題
基盤研究(B)
本研究は、新しい三元金属ナノ粒子を創製し、新規機能材料としての応用展開の学術的基礎を確立することを目的とする。具体的には、最近発見した金属ナノ粒子の自己組織化能を利用して、新しいタイプの三元三層構造金属ナノ粒子の創製をはかり、触媒機能の一段の向上を図る。また、強磁性の二元合金ナノ粒子に、さらに第三成分金属を添加した三元金属ナノ粒子を化学的方法により合成し、高機能の超高密度磁気記録材料開発の学術的基礎を確立する。これらを総合し、三元系金属ナノ粒子の一般的概念の確立を図る。研究の結果、次の成果を得た。1.2種の金属ナノ粒子分散液の物理混合により、コア/シェル構造の二元金属ナノ粒子が生成することを発見し、その過程をUV-Vis、EXAFS、TEMの手法で解析し、生成機構を推定した。この自己組織化法は、温和な条件で進行するので、三元三層構造の構築に有用である。2.Pd-コア/Ag-シェルの二元金属ナノ粒子とRhナノ粒子の物理混合により、Pd-コア/Ag-中間層/Rh-シェルの三層コア/シェル構造三元金属ナノ粒子の創製に成功した。この構造の三元金属ナノ粒子は、連続ポテンシャル場による連続的な電荷移動のために、オレフィン水素化に対し高い触媒活性を持つ。単独及び二元金属ナノ粒子はもとより、他の構造の三元金属ナノ粒子に比べても高い触媒活性を持つ。3.SmCo_5性ナノ粒子の合成に、AuやCuのような第三金属の共存が、大きな役割を果たすことを見出した。第三金属は核として、CaCu_5型の結晶構造を持つSmCo_5結晶の成長と安定化に有効である。第三金属を添加することにより、合成困難であった、室温で強磁性を示すSmCo_5ナノ粒子の調製に世界で初めて成功した。
すべて 2008 2007 2006 2005 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
Metal Nanoclusters and Catalysis in Catalysis and Materials Society : The Issue of Size Control, Elsevier, Amsterdam
ページ: 149-75
Chem.Lett. 36
ページ: 1261-1265
Bull.Chem.Soc.Jpn. 80
ページ: 1217-1225
Catalysis Today 122
ページ: 239-244
Chem. Lett. 36(19)
Bull, Chem. Soc. Jpn. 80(6)
Catalysis Today 122(3-4)
http://www.ed.yama.tus.ac.jp/~toshima/gaiyou/gaiyou.html