研究課題
1.表面特性制御による分子認識能を有する酸化チタン光触媒の開発防汚、殺菌などの応用製品に利用される二酸化チタンは紫外光下で高い酸化能力を発現し、ほとんどの有機物を分解するため酸化力を分散し目的物質へ投入される酸化力が低下する。このような光触媒反応過程での問題点を解決する目的で、酸化チタン光触媒ナノ粒子上に反応物質の3次元構造を認識する反応場を有するナノ反応場制御型光触媒を開発した。この酸化チタン光触媒は、鋳型分子のナフタレン誘導体にのみ高い分解活性を示し、より大きい分子でも小さい分子でも分解活性が大きく低下することが明らかになった。また、カチオン性官能基で酸化チタンの表面を修飾することで、アニオン性官能基を有する基質を選択的に分解し、カチオン性の官能基を有する基質に対しては、ほとんど分解活性を示さない表面修飾型光触媒の開発にも成功した。2.可視光応答性を示す超高活性酸化鉄ナノ粒子担持二酸化チタンナノチューブの開発防汚、防曇などの機能を有する応用製品用の二酸化チタン光触媒は、紫外光下でしか触媒活性を発現しない。しかし、室内などへ応用範囲を広げるためには可視光が主な成分である室内光に対する活性を向上させた窒素ドープ可視光応答型酸化チタン光触媒が市販され始めたが、その触媒活性は充分とは言い難い。そこで、我々は、ナノレベルで反応場を制御して逆反応を極限まで抑制し、かつ硫黄カチオンをドープすることで可視光応答型二酸化チタン二酸化チタンナノチューブの開発に成功した。さらに、この光触媒上に鉄酸化物ナノ粒子を担持処理することで可視光下での触媒性能を2倍以上向上させた、超高感度新規可視光応答型二酸化チタンナノチューブの開発に世界で初めて成功した。この触媒は、紫外光、可視光いずれの光照射でも、現在まで報告されている光触媒の中で最高活性を発現することが明らかになった。
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