研究課題/領域番号 |
15310095
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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研究分担者 |
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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キーワード | カーボンナノチューブ / プローブ顕微鏡 / マルチプローブ / 四探針法 / 電気抵抗 / バイアスプリアンプ / ナノテクノロジー |
研究概要 |
1.電子顕微鏡内で作動する四探針プローブ顕微鏡を用いて、四探針法によりミクロン領域でのシリコンウェハ(厚さ0.38mm)の電気特性を調べた。四探針は等間隔で一直線に配列し、外側2本は電流用、内側2本は電圧測定用として用いた。電流を100mAに固定し、プローブ間隔を18ミクロンから500ミクロンまで変化させ測定される電位差を求めた。探針の試料へのコンタクトプロセスに対して、ソフトに両者を接触するための工夫を凝らした回路システムを作製した。測定の結果、100ミクロンまでは試料を半無限と見なせること、100ミクロン以上では、電流のパスが試料の端面で反射するという試料形状に依存する項が関与することをシミュレーションと比較により実証した。これらの変化は探針間隔の広い通常の半導体プローバでは検知困難で、本四探針法がミクロ領域まで有用であることを示すものである。これらの結果は論文に掲載済みである。 2.前項1の測定をナノ領域にスケールダウンするには探針間の位置的干渉が障害となる。これを克服するには探針としてアスペクト比の高い物質を用いる必要がある。本研究ではカーボンナノチューブに着目し、カーボンナノチューブ探針のCVD直接成長をタングステン製プローブ先端に試み、探針長を制御することに成功した。本結果は学会に発表済みである。また実際にカーボンナノチューブ探針を用いた二探針測定を行い、プローブ間隔をサブミクロンに縮小することが極めて容易であることを示した。 3.非接触で電気測定をすべく、装置の心臓部であるバイアスプリアンプの性能評価を行った。テスト用回路、ファンクションジェネレーターを用いたゼロ位法(null method)を新しく提案し、独自のデータ解析法により電位差が正しく評価できることを実証した。
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