研究課題/領域番号 |
15310096
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
夛田 博一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (40216974)
|
研究分担者 |
田中 彰治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
山田 亮 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20343741)
|
キーワード | シリコン-炭素 / 摩擦力像 / 非接触原子間力顕微鏡像 / カンチレバー / 化学力顕微鏡 |
研究概要 |
有機単分子膜で被覆されたカンチレバーを用いることで原子間力顕微鏡(AFM)による多様な表面化学種の識別が可能となる。今年度は、シリコン探針を有機分子で被覆することも試みた。この有機単分子膜は、シリコン上に共有結合を介して固定されるため化学的にも熱的にも非常に安定である。すでにコンタクトモードAFMによる摩擦力顕微鏡観察とノンコンタクモードAFMによる原子像の観察を行った。 カンチレバーの被覆は水素終端したシリコンカンチレバーを末端二重結合を有する有機分子中にて紫外線照射により誘起される反応で行なった。カンチレバーはAFM観察前に423Kで15時間ベーキングを行なった。この有機単分子膜で被覆されたカンチレバーを用いて摩擦力像および超高真空下でノンコンタクトAFM観察を行なった。摩擦像観察用の試料は、Si(111)上にDodecene(CH)を反応させて単分子膜を形成し、AFM陽極酸化によるパターニング、NH4F中でのエッチングの後、(perfluorodecyl)ethylene(CF)中で加熱したものを用いた。ノンコンタクトAFMの試料は、スパッタリングおよび900Kでのアニールにより作製したTiO2(110)-(1x1)清浄表面を用いた。 摩擦力像では、CF分子で被覆したカンチレバーの方が、CH分子で被覆したカンチレバーよりも、コントラストが強調され、CF領域とCH領域の識別能が高いことが判った。ノンコンタクトAFM像では、TiO2(110)-(1x1)清浄表面の原子レベルで平坦なテラスと酸素原子列を確認することができ、化学修飾探針が原子分解能を有していることがわかった。
|