研究課題/領域番号 |
15310096
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
夛田 博一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40216974)
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研究分担者 |
山田 亮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20343741)
田中 彰治 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
高田 正基 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (30403132)
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キーワード | シリコン / 共有結合 / 分子組織体 / 分子エレクトロニクス / 界面 |
研究概要 |
分子エレクトロニクスにおいて、分子と電極の接合界面は、信号の入出力を担い特性を決める上で重要な役割を果たす。我々は、シリコン表面上に共有結合で分子を固定化し、信号の入出力インターフェースとして利用することを提案し、シリコン上の共有結合性自己組織化膜の作製技術の確立、2次元ナノパターニング技術の確立、3次元分子システムの構築手法を確立してきた。本研究課題では、これらの技術ノウハウをさらに発展させて、シリコン基板上に機能を有する分子組織体の構築を図ることを最終目標とし、(1)シリコン-炭素共有結合性インターフェースの電子状態を明らかにし、信号の入出力の特性を知る、(2)3次元の組織体の構築手法を確立するとともに、適切な分子設計・合成を行う、(3)SOI(Silicon-on-insulator)基板をパターニングして、機能性分子を固定することにより、3端子素子を構築する、ことを中心に研究を進めた。(1)に関しては、走査トンネル顕微鏡を用いた電流-電圧計測により、シリコン上に固定された分子が、帯電または構造変化により微分負性抵抗を示す可能性があることを見いだした。(2)に関しては、シリコン上の分子組織体が、熱的・化学的に極めて安定であることを、多重反射赤外分光法により明らかにした。さらに、成膜過程に関する研究を進めている。(3)に関しては、SOIを用いて、サブミクロン程度の間隙をもった電極の作製方法を確立し、分子の固定化方法の検討を行っている。
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