研究課題/領域番号 |
15310096
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
|
研究機関 | 大阪大学 (2005) 分子科学研究所 (2004) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
夛田 博一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40216974)
|
研究分担者 |
山田 亮 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20343741)
田中 彰治 自然科学研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20192635)
高田 正基 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (30403132)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
キーワード | 自己組織化 / 走査プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / マイクロ・ナノデバイス / 表面・界面物性 / Surface and Interface |
研究概要 |
有機分子を組織化してナノメートルスケールの電子デバイスを構築する研究が国内外で活発に行われている。走査型プローブ顕微鏡(SPM)をはじめとするナノツールの進歩により単一分子の電気特性やスイッチング特性が計測され、「分子スケールエレクトロニクス」とよばれる新しい学問領域が着実に進展している。有機分子の組織化の方法として、金と硫黄原子の親和性のよさを利用した、金基板上のチオール分子が最も精力的に研究されてきた。微細加工技術を駆使することにより、現在ではナノメーターの間隙を持つ電極も作製可能である。しかしながら、いわゆるこの金-チオール系は、分子をどのようにしてこの電極の間に配置するかという点、信号の入出力を担当する金と硫黄の界面の結合様式が不確かであるという点が未解決である。 我々はこの問題を解決するための手段のひとつとして、シリコンと炭素の共有結合を起点とする組織化に注目している。シリコンと炭素の共有結合性インターフェースは、(1)分子と電極基板が共有結合で結合しているため熱的・化学的に安定である。(2)半導体基板はドーパント種とその濃度を変化させることでp型とn型,およびその導電率を自由に制御できる。(3)これまでに蓄積されてきた半導体微細加工技術を利用することが可能である。などの特長を有する。本研究では、これらの特長を活かし、ウエットプロセスによるシリコン上の分子組織体の構築方法の確立と配向・安定性の考察を行うとともに、組織体の応用についても検討を行った。 具体的には、(1)内部多重反射赤外分光法により反応過程をその場追跡し、結合が熱的・化学的に極めて安定であることを明らかにした。また、(2)シリコン製カンチレバーを分子で被覆し、化学力顕微鏡に応用可能であることを示すとともに、(3)色素などの大きな分子もシリコン上に固定化できることを示した。
|