研究概要 |
本年度は,粒子分散系ER流体を作動媒体とする一種の触覚ディスプレイとしての点字表示システムを構築する前段階として,電極が移動するせん断流れモードと電極が固定された圧力流れモードについて,これらの流れモードにおけるマイクロギャップ時のER流体のER特性とそのマイクロ流動特性について検討し,さらに,点字表示システムの基本要素としての一つの凸点に相当するピンを上下するダイアフラム型マイクロアクチュエータをフォトリソグラフィ法によって製作している.その際,在来の旧式のフォトリソグラフィ装置を一新し最新の装置を導入することによって,高精度で高強度なマイクロアクチュエータの製作を試みている. 0.1mm程度のマイクロギャップをもつ回転並行二円盤間のせん断流れモード及びストレートと直角曲がり流路をもつ圧力流れモードにおける粒子分散系ER流体のDC, AC及びPWM電圧印加時のマイクロ流動特性を可視化観察によって明らかにし,それぞれのER特性との関連性について検討し,点字表示システムに適した粒子分散系ER流体とその応用に際しての最適な構成法と制御法に関する設計指針を与えた. また,点字の一つの凸点を表示するためのピンを上下に駆動する高強度のダイアフラム型マイクロアクチュエータをフォトリソグラフィ法によって製作し,比較的高いER流体の供給圧力でERバルブにPWM制御を適用しPIDの位置フィードバック連続制御を適用した場合とERバルブにON-OFF制御を適用した場合についてピンの応答特性と性能評価を行い,十分な応答特性と押し上げ力が得られることが確認できた.
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