研究概要 |
関東地方における鉄道網の空間拡大効果をより精密に議論するために,前年度(平成15年度)の研究から継続して,関東地方における鉄道網のデータ整備を行った.前年におけるものは,網が密にある東京23区内について,あるルールのもとに簡略化が行われたが,今回はすべての鉄道と乗り換え所要時間を整備した.これに関しては当初の予想よりはるかに手数が必要で時間がかかってしまった.また人口データについては,国勢調査の調査区単位で人口が整備されており,これを入手したが,これを用いてネットワークに流動させるに場合,解決しなければならない問題がある. それは国勢調査における移動データとしては区単位,つまりある区からある区までの通勤通学が何人であったかというものしかない.これより細かいものがあれば,もっと詳しい作業が可能なのだが,この区毎のデータをもとにどこまで詳細な現実をシミュレートできるかについて理論的検討を行ったが,決め手はなかった, ともかく,鉄道網の空間拡大効果については,より精密な計算をするための前提となる作業については,ほぼ終了したが,15年度に計算したものに変わる具体的数値についてはまだなされていない. 次に,ネットワークに関するものについては,積分幾何学を基礎とした理論的進展はあるものの,具体的ネットワークと一様な直線の対応についての理論的部分が未だ十分達成できておらず,大規模な数値実験には至らなかった.
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