研究分担者 |
藤井 信忠 東京大学, 人工物工学研究センター, 助手 (80332758)
馬場 靖憲 東京大学, 先端経済工学研究センター, 教授 (80238229)
小田 宗兵衛 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
山田 和明 東京大学, 先端経済工学研究センター, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (80345149)
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研究概要 |
本年度は下記の4項目を実施した. (1)共創的意思決定の定式化および基本モデルの構築 (2)ゲーム理論による経済主体間の共創的意志決定のモデル化 (3)創発的計算論による人工システムにおける共創的意思決定のモデル化 (4)企業間共創的意思決定過程のモデル化 (1)では,共創的意思決定システムに対して目的および環境に注目して,意思決定過程の問題の困難さのクラス分類を行い,幾つかの抽象的な基本モデルを構築した.(2)ではネットワーク囚人のジレンマというフレームワークで,意思決定主体間の協調行動の創発に着目したモデルの構築を行った.このモデルに基づく被験者実験と計算機実験により基本的な性質等を明らかにし,経済主体間の共創的意思決定モデルの基礎部分の構築を行った.さらに(3)では,人工物生産システムを対象とし,スケジューリングとフロアレイアウトを共創的意思決定の結果として同時に解決するシステムを構築するために,半導体生産システムを対象としてモデルの構築を行った.計算機実験により生産過程の時間的・空間的計画を同時に解決できることを明らかにした.また(4)ではデジタルビジネス産業に着目し,インターネットによる教育サービス(Eラーニング)を対象にして,各コンテンツ・システム等の供給者と顧客間のビジネスプロセスの共創的関係のモデル化を試みた.特に日本のEラーニング企業の4事例について比較分析することで,企業間共創的意思決定過程に対するモデルの基礎部分が構築できた. 以上より,共創的意思決定システムの確立のための基礎となるモデル構築に関する研究成果を得ている.これらの成果の一部は学会等で報告がなされ,さらに来年度に未発表の成果について報告を行う予定である.
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