研究課題
基盤研究(B)
本研究に取り掛かった2003年時点において、わが国の資産運用のパフォーマンスは惨憺たる状況にあった。毎年10%近い損失を計上し、解散に追い込まれる年金基金が続出したことは記憶に新しい。幸い2005年に入ってから市場が持ち直したため、運用成績は改善されたが、今後もこの傾向が継続するという保証はない。専門家の間では、株式市場は既にバブル状態に突入しているとの見方もあり、資産運用のリスクは高まっている。再び大きな損失を蒙らないためには、一層徹底したリスク管理が求められる所以である。このような状況の中、われわれは3年間にわたって、資産運用の原点である「平均・リスクモデル」を用いた国際分散投資に関わる研究を実施した。特に非凸型の取引コスト、マーケット・インパクトの取扱いとロング・ショート戦略の分析、取引コストを考慮したインデックス・トラッキング、組み込み銘柄数制約、最小取引単位制約などの厳密な取扱いについては、当初の計画を上回る成果を導くことが出来た。また絶対偏差をリスク指標とする株式・債券統合モデルを用いて、34ヶ国の4000資産を対象とする大型国際分散投資モデルを組みたて、このモデルがきわめて良好な成績を導くことを確認した。今後は上記の成果を組み込んだ上で、より本格的な国際分散投資モデルを構築し、資産運用ビジネスのリターン・リスク管理に役立てたいと考えている。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (9件) 図書 (2件)
J. of Industrial and Management Optimization 1
ページ: 87-98
J. of Global Optimization 32
ページ: 207-219
Computational Management Science 2
ページ: 339-351
in Essays and Surveys in Global Optimization,
ページ: 195-210
Computational Management Science (印刷中)
J.of Industrial and Management Optimization 1
J.of Global Optimization 32
in Essays and Surveys in Global Optimization, (C.Audet et al., eds.)(Kluwer Academic Publishers)
ISE 05-02,Department of Industrial and Systems Engineering, Chuo University (Computational Management Science) (to apper)