研究課題/領域番号 |
15310130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
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研究分担者 |
滝川 清 熊本大学, 工学部, 教授 (80040450)
今村 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40213243)
片田 敏孝 群馬大学, 工学部, 助教授 (20233744)
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キーワード | ハザードマップ / 津波 / 高潮 / 洪水 / ワークショップ / 避難 |
研究概要 |
初年度として、まず洪水、高潮、津波ハザードマップを普及するための必要条件を共同して検討した。その結果、つぎのことがわかった。すなわち、いきなりマップの配布をやってはいけないということである。図上演習やワークショップを通して自分自身の問題であるという意識を持たなければいけないということである。これは自主防災組織やまちづくり協議会を通しても良い。要は自助・共助努力とは自己責任の原則を確認するということである。そこで、ハザードマップの作成マニュアル中に示されなければならない住民理解の促進方策を検討した。その結果、地域における高潮・津波に対する避難計画などを検討するにあたっては、きめ細かな地域情報に精通した地域住民の意見を取り入れ、地域の実情に合わせた計画を作り上げることが肝要であることが示された。また、計画づくりに地域住民も参画することは、周知、利活用の促進においても極めて重要であることがわかった。このため、ハザードマップ作成段階において、住民と行政とで実施するワークショップやリスクコミュニケーション等によって、住民に「自分が主体的にハザードマップ作成に参加している」という意識を持ってもらうことが、高潮・津波ハザードマップの利活用促進には不可欠であると言える。なお、住民参加にあたっては、自治体のみならず商工会や青年団等の様々な関係者の参画を得ることが望まれる。その他の住民理解促進方策としては、地域学習会の開催、インターネット等を活用した双方向型電子版ハザードマップの作成・公開、防災啓発ツールの作成(例:ビデオの作成・上映)などが考えられる。具体的にワークショップの開催では、ワークショップのコアメンバーは10人程度を1つのユニットにすればよく、大人数の場合は幾つかの組に分ければよい。これらのコアメンバーと一般参加者より、それぞれの立場から洪水・高潮・津波ハザードマップに記載すべきと考えられる事項などについて意見聴取を行う。ワークショップでの審議内容としては、趣旨説明、ハザードマップの概要理解、事務局作成のハザードマップの説明、その配布・活用方法の提示及びそれらに対する意見聴取が考えられる。ハザードマップにおける住民意見などの適確な反映のため、ワークショップは、複数回行うことが望ましい。
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