研究課題
本研究では、関連遺伝子のコードされる位置の情報に基づいて、ゲノムの全構造を巨視的に比較する方法を確立し、その適用によってゲノム構造変化のメカニズムの解明を試みた。同時に、ゲノム構造と遺伝子配列及びその発現プロファイルとの関係性の解明を試みた。本研究によって得られた実績は以下の通りである。1)近年開発した環状ゲノム間の関連遺伝子の配置に基づく比較法を、類似度の数理統計に関する面で改良した。さらに、Directional Statisticsに基づく新しい指標も比較法に導入した。2)環状ゲノム間の関連遺伝子の配置に基づく比較法によって、細菌ゲノムについてorthologous遺伝子に関して機能的な分類を行い、類似な配置を示す遺伝子群を調べた。その結果、遺伝子機能とその移動性について、生物種の進化的関係とは関連なく代謝関連遺伝子群と情報関連遺伝子群で明らかな相違があることが判った。3)paralogous遺伝子の配置に基づいて、Cyanobacterium Anabena sp. PCC7120についてゲノム重複の可能性を重点的に調べ、細菌ゲノムにおけるゲノム重複の強く示唆する結果を得た。4)同一真核生物種のもつ複数の線形クロモゾーム間の相異を、遺伝子配置の観点から数量化する方法の改良を行い、定性的に示唆されている酵母ゲノムの重複について適用し、重複したクロモゾーム・ペアを具体的に提示した。5)環状ゲノム間及び線形クロモゾーム間の関連遺伝子の配置に基づく比較法を公開するため、解析ソフトウェアのの整備を行った。6)配列レベルからゲノム構造変化を調べるために、ゲノム構造変化に関連すると考えられている繰り返し配列の探索法を開発した。7)遺伝子発現とゲノム構造変化の関係を調べるため、従来開発している発現プロファイル解析法の改良・整備を行い、web上に公開・改良を行った。
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