研究概要 |
本研究は、RP遺伝子をモデルとして、(a)イントロン挿入部位の比較により、イントロンの進化を追跡する。(b)細胞質とミトコンドリアのRP遺伝子の比較により、イントロンの先行説と後行説を検証する。(c)イントロンにコードされている機能性RNAを同定する。(d)ゼブラフィッシュを用いてこれら新規RNAの機能解析を行う。これにより、イントロンの起源と進化、そして新たな機能の解明を目指すものである。以下に本年度の成果をまとめる。 ・RP遺伝子に関するデータベース(RPG : Ribosmal Protein Gene database, http://ribosome.med.miyazaki-u.ac.jp/)を充実させるために、ヒト以外の生物種の情報を系統的に収集した。これまでに9生物種で500以上のエントリーを整備した。 ・RPGデータベースを用いて、異種生物間でイントロンの挿入部位に共通する特徴的な配列を検索した。エキソン・イントロン構造を種間で比較し、位置が保存されているイントロン内の配列と周辺のエキソン配列から、共通のエレメントの予測を試みたが、現時点で顕著な結果は得ていない。 ・ミトコンドリアRP遺伝子の構造を解析し、細胞質のRP遺伝子と比較した。これまでのところ、両者で共通しているイントロンは1個しか確認されておらず、RP遺伝子においてはイントロン後生説が有利と考えられる。 ・snoRNAの機能を系統的に調べるために、目的のsnoRNAをターゲットにしたモルフォリノアンチセンスオリゴを作成し、ゼブラフィッシュの受精卵に注入した。現在その表現型を解析中である。
|