研究課題
新たに、分裂酵母染色体についてもChIP-chip法により染色体上のタンパクの配置を解析可能なシステムを構築した。約10個の蛋白について、ChIP-chip法によるDNAChipのハイブリダイゼーションデータから、分裂酵母染色体の二番、三番についてタンパクの配置を網羅的に同定可能なシステムを構築した。このシステムを用い、分裂酵母染色体の複製プロアイルをBrdUの取り込みと、3種類の複製タンパクの動態変化により明らかにした(阪大、升方らとの共同研究)。また、姉妹染色体分体間の接着を確立するタンパク、染色体凝集タンパクの系統的な配置解析を行った。解析結果からは、巨大な分裂酵母染色体に於いては、出芽酵母染色体で見られたような複製の時間的制御がむしろ失われており、多数の複製開始点が短時間で複製を終了させるために配置されているというレプリコン構成の実態が明らかとなった。分裂酵母染色体はゲノムの複雑さからみても(配列のエントロピーが小さい)、出芽酵母に比べより複雑であり、データ処理においても、繰り返し配列によるノイズシグナルが検出され、その評価が問題となった。今回のシステムでは、これらノイズを生み出すプローブ配列について特定し、計算から除外することで対処したが、重複度(繰り返しの数)も計算に含め、配列毎により柔軟に対応することも考慮に入れ、さらにシステムの開発を進めている。こういった分裂酵母特有の問題に対処することで、より複雑な高等真核生物のアレイデータ解析に向けたシステム作りを推進出来るはずである。
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