研究概要 |
本申請ではDNA結合タンパクについて出芽酵母の六番染色体(280kb)についてDNAチップを用い、結合プロファイル情報を得、因子間の相互作用情報を結合プロファイルに基づき抽出、分類、比較可能なソフトの構築を行えるシステム作りを目指した。 データのプレゼンテーションソフトについては開発を終了し公開した。さらにこれを原型として発展させ出芽酵母、分裂酵母、ヒトの全ゲノムについても解析可能なソフトを構築しつつある。公開したものについては、同じプラットホームを有する研究者との間で共有できるシステムとなっており、また、システムを利用した論文(共同研究であるかないかにかかわらず)の発表も開始された。このことは我々が構築した解析プロトコルが世界的スタンダードになりつつあることを意味している(Methods in Enzymology,2006)。比較、分類ソフトについてはプロトタイプ版が完成し、プロファイルの類似性から、1)コヒーシンの制御因子の同定(Nature,2006)、3)コヒーシンローダーを新規修復因子として同定、4)コヒーシンの染色体への接着が複製に伴うこと、5)SMCファミリーに属する修復因子が染色体の長さに依存した局在パターンを示すこと、等コヒーシン蛋白を中心とした染色体諸機能の連携、そのダイナミクス、について次々と新たな発見を行うことができた。これらの中の発表済みの結果は、前年度までの分を含め、最終的に生データまで参照可能な形式でデータベースとして公開する準備を現在進めている所である。
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