研究課題/領域番号 |
15310141
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小寺 義男 北里大学, 理学部, 講師 (60265733)
|
研究分担者 |
前田 忠計 北里大学, 理学部, 教授 (90265728)
大石 正道 北里大学, 理学部, 講師 (40233027)
|
キーワード | プロテオミクス / 酸化傷害 / 蛍光検出 / ペプチドーム / ペプチド / タンパク質 |
研究概要 |
(1)酸化傷害ペプチドの定量分析法の確立 酸化に伴うペプチドの分子量変化は非常に多岐にわたることがわかった。これはペプチド中のそれぞれのアミノ酸が様々な酸化を受けることに起因している。解析を困難にした点はそれぞれの酸化状態で質量分析時のイオン化効率が異なる点である。このため、どの酸化状態がどのくらい含まれているか、という定量的な解析は不可能であった。そこでHPLCの紫外線(220nm)吸収計の前で流路を分岐して試料の紫外吸収と蛍光を同時測定するシステムを導入した。これによって、蛍光ヒドラジドの付加したペプチドだけを容易に確認できると共に精度の高い定量分析が可能となった。蛍光検出の感度は数10fmoleと非常に高く、極微量のアルデヒド化ペプチドの検出も可能となった。 (2)酸化傷害タンパク質の定量分析法の確立 酸化傷害タンパク質に対しては二次元電気泳動法と蛍光ヒドラジドの併用が必要である。蛍光ヒドラジドをあらかじめ試料に付加した後に二次元電気泳動することに成功。従来のビオチンヒドラジドを使ったウエスターンプロッティング法に比べ、再現性、スループット、定量性が向上した。これにより、2種類の蛍光ヒドラジドを同時に使用することにより、2種類の試料中の酸化傷害タンパク質の量を一枚の二次元電気泳動ゲル中で定量比較することが可能となった。 (3)ヒト血清中の酸化傷害ペプチドの検出 昨年度までに組織から高効率で再現性良くペプチド成分だけを抽出する方法を確立した。本年度はこの方法を改良し、血清からペプチドを抽出する方法の開発を行った。この方法はある程度のスループットでペプチドを抽出することが出来るが、抽出効率、高分子タンパク質の完全除去という部分でまだまだ開発の余地がある。来年度も継続して開発を行う。
|