研究課題
基盤研究(B)
酸化傷害タンパク質検出用試薬TOP(Tags for Oxidized Proteins)を開発した。この試薬はタンパク質中のアルデヒド基と特異的に反応するreactive groupと、酸化傷害タンパク質を精製・濃縮するためのaffinity tagを安定同位体標識可能なlinker regionでつないでいる。組織から抽出したタンパク質混合物に[1]TOPを付加し、[2]affinity columnで精製後、[3]液体クロマトグラフィーまたは電気泳動で分離する。[4]分離したタンパク質を酵素消化して酸化傷害タンパク質を同定するとともに、酸化傷害部位を質量分析計で直接検出する。linker regionに安定同位体標識したTOPを用いることにより、疾病組織と正常組織に含まれる酸化傷害タンパク質量を定量比較するとともに、傷害部位を知ることが出来る。平成15年、16年の2年間でこのTOPに関して特許出願するとともに以下の3点に成功した。(1)人為的に酸化傷害を与えたペプチドの酸化状態の解析、affinity columnを使ったアルデヒド化されたペプチドの精製。(2)人為的に酸化傷害を与えたタンパク質のaffinity columnによる精製(3)安定同位体標識TOPを用いたペプチド混合物中の酸化傷害タンパク質の精製と定量分析(1)に関しては、8残基のモデルペプチドAngiotensin II(AngII)を使用した。このペプチドを様々な濃度のNaOClで酸化させたところ、非常に多様な酸化状態を示し、約30種類の分子量の異なるAngIIが観測された。この理由は8残基中の6残基が何らかの酸化を受けるためである。この研究で見えてきた酸化傷害の複雑さは酸化傷害タンパク質の定性・定量解析の困難さを物語っている。そこで、現在、TOPをさらに改良したタグの開発に取り掛かっている。
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