研究課題/領域番号 |
15310144
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
袖岡 幹子 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (60192142)
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研究分担者 |
平井 剛 独立行政法人理化学研究所, 研究員 (50359551)
濱島 義隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (40333900)
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キーワード | ライブラリー / チロシンホスファターゼ / 阻害剤 / テロン酸 / RK-682 / アスコルビン酸 |
研究概要 |
本研究は、目的志向型ライブラリー法により個々のチロシンホスファターゼ(PTP)に対する特異的な阻害剤を開発することを目的として行っている。 3-アシルテトロン酸をコア構造とするライブラリーの構築を行い、両特異性ホスファターゼであるVHRやCdc25に強い阻害活性をもつ化合物などを見出してきたが、さらにテトロン酸化合物の次の世代のライブラリーとして0-アルキル型の化合物の合成を行った。その結果、RK-682-0-benzyl誘導体が、非常に強力な癌細胞の浸潤阻害を示すことを見出した。本化合物は、ヘパラナーゼに対して強い阻害活性を示すことにより浸潤阻害作用を示していることがわかった。本成果はMol.Cancer Ther.に発表した。 これまでの3-アシルテトロン酸をコア構造とするライブラリーに代わり、アスコルビン酸骨格をコア構造とする新しいライブラリーの構築を行った。ライブラリー合成の鍵としては、我々が既に開発している固相担持活性エステル法などを用いた。この新しいコア構造にさまざまな置換基を導入した誘導体を60化合物以上合成し、PTP-1Bに対する阻害活性の評価を行った。その結果、いくつかの誘導体が、期待どおりPTP-1B阻害活性を示す事を確認した。本成果は有機合成シンポジウムにて発表した。 全く別の構造をもつホスファターゼの阻害剤候補ライブラリーとして、フルオロホスホン酸を設計し、その効率の良い触媒的不斉合成法を開発にも成功した。 また、プロテインホスファターゼと逆の作用、すなわちタンパク質にリン酸残基を結合させるプロテインキナーゼの活性化剤についても研究を行い、イソベンゾフラノン化合物が優れたプロテインキナーゼC活性化剤となりうることを見出した(Bioorg.Med.Chem.Lett.に発表)
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