研究課題
基盤研究(B)
本研究では、1)がんと神経変性疾患に関わる細胞内情報伝達系に特異的に作用する機能性低分子化合物を探索するアッセイ系を構築し、これまでに集めた海綿を中心とする海洋生物の抽出エキスライブラリーから探索した。2)そして新たに発見した阻害物質から設計・合成した光親和性放射性標識体やビオチン標識体などの天然分子プローブを用いて細胞内情報伝達系への作用機構を解析した。研究成果:1)Neuro2A細胞に対する分化誘導物質として発見している海綿由来のポリケチドlembehyne Aについて、構造活性相関の知見をもとに標的分子を同定するために、光反応性のアジド基と放射性同位体でラベルした分子プローブを設計合成し、Neuro 2A細胞に特異的に結合する蛋白の検出に成功した。2)ヒト慢性骨髄性白血病細胞(K562)を赤芽球様細胞へと分化誘導する物質として、海綿からセスキテルペンキノンsmenospongine類を見出し、作用の詳細な解析や、構造と活性の相関を解析した。3)先に構築したP-gpを過剰発現する多剤耐性がん細胞(KB-C2)を用いるアッセイ系を用いて、海綿から多剤耐性克服活性を有する脂溶性ペプチドkendarimide Aを見出し、詳細なスペクトル解析とモデル化合物の合成によりその全化学構造を決定した。4)細胞周期におけるブレーキの役目をするCDK inhibitorであるP21の発現を上昇させる化合物を探索するために、p53ネガティブ細胞であるMG63(ヒト骨肉腫)に、p21プロモーター遺伝子およびルシフェラーゼレポーター遺伝子を導入した細胞を用いるアッセイ系でp21プロモーターの転写活性化を評価した結果、アユルヴェーダ生薬Sida cordifoliaからindoloquinoline型アルカロイドcryptolepineを見出した。また、海綿Aaptos suberitoidesからbenzonaphthyridine型アルカロイドaaptamineを見出した。これらの化合物について細胞周期に対する作用やp21プロモーター領域に対する作用など詳細な解析を行った。
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