研究課題/領域番号 |
15310151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石野 良純 九州大学, 農学研究院, 教授 (30346837)
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研究分担者 |
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
山上 健 九州大学, 農学研究院, 助手 (80243947)
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キーワード | アーキア / DNA複製 / 超好熱菌 / ツーハイブリッド / タンパク質相互利用 / 複製起点 / ヘリカーゼ / Pyrococus |
研究概要 |
超好熱性アーキアの一種であるPyrcoccus furiosusを用いて、DNA複製に関わる新規タンパク質因子の探索を開始した。方法は計画に示したように、Two-Hybrid Screening法を用いて、複製開始因子であるOrc1/Cdc6とMcmタンパク質をbaitにしてP.furiosusの遺伝子ライブラリーから陽性反応を示すクローンを選択した。Two-Hybrid法としては酵母と大腸菌の二種類の系を使って実験を進めた。P.furiosusのゲノムDNAをSau3Alで部分分解し、アガロースゲル電気泳動によって1〜3kbの鎖長を分画してTergetベクターに組込んでライブラリーとした。選択培地からいくつかの陽性クローンが得られたので、そのクローンからプラスミドを回収して、挿入されているP.furiosus DNA断片を調べた。陽性を示したクローンで、挿入されている遺伝子産物が本当にOrc1/Cdc6やMcmと直接相互作用していることを確かめるために、陽性を示した遺伝子全長を発現ベクターに組込み、タンパク質を発現させて、Pull down assay法によりOrc1/Cdc6やMcmとの相互作用の有無を調べている。 また、直接Orc1/Cdc6、Mcmと相互作用するタンパク質を生化学的に探索するために、これらのタンパク質の生化学的性質を詳細に理解する必要があることから、Orc1/Cdc6、Mcmの多量産生系を構築し、タンパク質の高純度調製法の確立を試みた。Mcmについてはタンパク調製後ヘリカーゼ活性の同定とその基本的性質の解析を行ない、論文作成中である。Orc1/Cdc6は大腸菌、酵母、昆虫細胞の三つの発現系でタンパク産生を試みたが、どれも多量産生はするものの、不溶化してしまい、性質解析には不適当であるために、変性可溶化から再生する方法を種々試みた。現在までに1Mアルギニン存在化で可溶性のタンパク質が調製できているので、これを用いて性質解析に進めている。その他の複製因子についても機能構造解析を進めており、そのうちのいくつかを論文にして発表した。
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