研究概要 |
MCP-1ペプチドミミック(G25)の研究では既に単離されているG25モチーフの一部に変異をいれたアミノ酸配列をディスプレイするファージライブラリを作製し、CCR2陽性細胞への結合活性とMCP-1の遊送阻止活性が増強されているかを指標に検討し、2つのモチーフの単離を達成した。またIL-6ペプチドミミック(IL-6/37)の研究では、このアミノ酸配列解析をした結果、IL-6がgp130と結合する際に関与するIL-6分子上のサイト3にホモロジーを有していることを明らかにした。IL-6/37より強い阻害活性を有するモチーフを、MCP-1で行ったと同様の手法で検討したが、阻止活性が増強したクローンは得られなかった。Gp130に結合するクロンについて検討中である。 ヒトscFv抗体の研究:抗FceRI scFvのFabを作製し、抗体特異性が保持されることを示した。抗MCP-1scFvを完全IgGに抗体エンジニアリングし、特異性は保持されるとともに、親和性(Kd)が約10倍に増強し、強い遊送阻止活性を有することを明らかにした。抗IL-6 scFvについてはFab化すると特異性が失われることが明らかとなり、異なる抗体エンジニアリングを試みている。 ファージライブラリーの選別法の検討および細胞表面に超微量存在する受容体分子を標的分子とする方法論の開発では、本研究費で購入したセルソーターによる方法の検討を開始した。 抗体のアフィニティーを高める方法論の開発:B型肝炎ウイルス特異的ハイブリドーマを用いて、Vh/l遺伝子のクローニング、配列決定、scFv-displaying phage cloneの作製を達成した。 以上の研究成果は日本免疫学会総会・学術集会記録33:p67,159,207,222,230,313,314,315,329,2003)に11の演題として報告した。
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