研究概要 |
(1)カルコン合成酵素ファミリー機能解析と新規植物ポリケチドライブラリー作成 生理的基質であるp-クマロイルCoAの芳香環を、ヘテロ環で置換した修飾基質や、脂肪族CoAエステル等を開始基質とし、マロニルCoAの代わりに、メチルマロニルCoAやスクシニルCoA等を鎖伸展基質として非天然型ポリケタイドライブラリーを作成した。p-クマロイルCoA以外に対してもメチルマロニルCoAは伸長単位となることが分かった。スクシニルCoAは、β-ケト酸であるマロニルCoAに比べα位の炭素の求核性低下により伸長単位として機能しないことを示した。<Org.Lett.5, 1277(2003)> Noelらのx線解析の結果からマロニルCoAの伸長反応に関与するとされるF215を中心として、活性部位を構成する4つのアミノ酸残基(C165,F215,H303,N336)に注目し、順次部位特異的変異の導入により組換え酵素機能を検討した。<J.Biol.Chem., 278, 25218(2003)> ダイオウより5分子以上のマロニルCoAを縮合しヘプタケチドを生成する新規酵素遺伝子の単離に成功した。<FEBS Lett, 562, 171(2004)> (2)トリテルペン合成酵素由来非天然型新規環状ポリプレノイド創製 微生物のスクアレン環化酵素であるホパン合成酵素を利用し、スクアレン(C30=C15+C15)のアナログとして、ファルネソールやゲラニルゲラニルオールを原料として反応を行い、C35(=C15+C20),C40(=C20+C20)など、一連の新規ポリプレンの合成に成功した。<Org.Lett., 6, 803(2004)>芳香環部分を有する新規プレニルアレンの合成にも成功した。<Tet.Lett, 45, 3093(2004)>
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