研究課題/領域番号 |
15310157
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大塚 榮子 独立行政法人産業技術総合研究所, フェロー研究員 (80028836)
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研究分担者 |
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所・分子免疫部門, 教授 (00160185)
小島 直 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 研究員 (30356985)
小松 康雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (30271670)
今 重之 北海道大学, 遺伝子病制御研究所・分子免疫部門, 助手 (90344499)
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キーワード | オステオポンチン / 癌転移 / RNAi / siRNA / 炎症疾患 / リン酸化糖タンパク質 |
研究概要 |
オステオポンチン(OPN)は、骨組織のマトリックスを構成する主要な非コラーゲン性タンパク質として同定された分子量約41kDaの分泌型酸性リン酸化糖タンパク質である。OPNは細胞接着、細胞遊走、NO産生の制御、免疫系への関与など多彩な機能が報告されており、癌転移、炎症疾患など多くの難治疾患病態と関与することが示されている。OPN欠損マウスでは、腫瘍、リウマチ関節炎、多発性硬化症(EAE)、動脈硬化等に対し抵抗性を示し、また、OPNに対する中和抗体を用いて、リウマチ関節炎が緩解した報告もある。そこでOPN機能阻害により、治療効果が期待できると考え、OPNの発現抑制による効果を調べた。 mRNAを切断することによって発現を制御するRNA干渉(RNAi)法をOPNの発現抑制に用いることとし、OPNのmRNAを標的とした数種の短鎖2本鎖RNA(siRNA)を化学合成した。高純度に精製したsiRNAを用い、OPN発現細胞に添加したところ、OPNに対するRNAi効果をmRNAレベルで確認し、さらにタンパク質レベルの抑制も見出すことができた。次にRNAi効果持続期間を検討したところ、約7日間OPNノックダウン効果が持続することも確認された。これらの結果を受け、ガン転移のモデルアッセイ系における転移抑制効果などを調べており、転移の抑制が期待できる効果を得つつある。さらに現在、マウス個体にsiRNAを投与して上述OPN関連疾患における治癒効果を検討している。
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