研究課題
2005年度は、各研究分担者が、北海道から沖縄まで、乾果であるアカメガシワの分散戦略に的を絞って果実のフェノロジーを調査した。研究代表者の上田は沖縄県西表島において、アカメガシワに来る鳥を調べ、山階鳥研報に論文を発表した(上田恵介2005西表島のアカメガシワMallotus japonicus果実を採食する鳥.山階鳥類学雑誌36:133-135)。それと合わせて森林総研四国、及び横浜国立大の研究者と共同で9月の日本鳥学会大会で本州・四国・沖縄のアカメガシワについての成果を発表した。紙谷智彦は、新潟において鳥による種子分散による森林植生の変化についての研究を行い、カナダの雑誌に2編の論文を発表した。湯本と野間は屋久島において、冬鳥の飛来と果実の消長に関する調査を精力的に行った。九州においては真鍋が、ヒサカキのフェノロジーを担当して、調査を行った。科研費のRAとして、事務作業などを担当している福井晶子は、種子散布研究者のメーリングリスト「みのり」の運営を行い、全国各地にシードトラップを設置して、鳥による種子散布の様々な情報を集約した。7月にオーストラリアのブリスベンで開催されたFrugivory2005において、上田は日本の乾果をつける植物の種子散布に関する総説的な発表を行った。また2006年3月に新潟で開催される第53回日本生態学会において、代表研究者の上田恵介は、本科研の分担研究者らと共に、新進の種子散布研究者である寺川真理・阿部晴恵と協同して、自由集会(第5回種子散布研究会「動植物の生物間相互作用研究の将来展望-花粉媒介と種子散布をつなぐ」)を企画し、2nd EAFESのシンポジウム"A new perspective for the study on plant-animal interactions"とのコラボレーション集会として、若手研究者を中心に東アジアにおける研究成果を発表し、情報を共有するとともに東アジアにおけるサイト間での共同研究の可能性について議論する場を設けた。
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Biodiversity and Conservation 14
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