研究課題
基盤研究(B)
ロシアのイスラーム教は、公称2千万人の信者を有するが、信者数は自然増、宗教回帰、改宗など様々な原因で増加つつある。今日イスラーム教徒はロシア政治の重要なアクターであって、ロシア政府も世界イスラム諸国機構への正式加盟を表明して、国内イスラーム教徒に対する信頼を買うとともに、国内信者の支持を背景に対外関係を展開している。ロシアのイスラーム社会は3段階のレベルで政治とかかわっている。第1のすなわち連邦レベルでは、それぞれがバシュコルスタン(タージュッデイーンが指導者)とモスクワ(ガイヌッデイーンが指導者)に本部を持つ二つの宗務庁が、信者の獲得と連邦政府の支持を求めて競争関係にある。第2の連邦構成体(共和国や州、地方)レベルにあっては、タタールスタン共和国やチェチェン共和国またいくつかの州等では共和国や州の宗務庁の政府機関化が進行し、バシュコルスタン共和国では、連邦宗務庁と共和国の関係は微妙なものを残しつつも、信者組織の政治的動員力は強力に働いている。一方、第3のレベルである地区から教区に至る組織では、直接平の信者がモスクを建設し運営する範囲であって、ソ連時代以来の伝統的イスラーム信者とイスラーム主義者、連邦主義者と民族(あるいは地方分権)主義者が対峙する場でもある。ここでは地域的あるいはエスニックな、あるいは原理主義的な観点からの信者の政治的動員が行われる場になっている。また、ソ連邦崩壊による非ロシア諸国の経済混乱と原油高騰によるロシアの好景気下、コーカサスや中央アジアからの人口流入、外国に本部を持つイスラーム主義組織の活動は、ロシアのイスラーム政治にトランスリージョナルな動的性格を与えている。
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新世界地理(朝倉書店) 5(印刷中)
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