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2005 年度 実績報告書

ユダヤ人のアイデンティティ問題から見た近代国民国家の理念と現実

研究課題

研究課題/領域番号 15310164
研究機関東京大学

研究代表者

市川 裕  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20223084)

研究分担者 沼野 充義  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
野村 真理  金沢大学, 経済学部, 教授 (20164741)
池田 明史  東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (30298294)
臼杵 陽  日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
長田 浩彰  広島大学, 総合科学部, 助教授 (40228028)
キーワード東欧ユダヤ人 / イスラム圏のユダヤ人 / 民族主義
研究概要

ユダヤ人のアイデンティティ問題には大きな地域差があり、西欧と東欧、そしてイスラム的オリエントの3つの地域において、近代的社会関係の形成の違いが、そのままユダヤ人のアイデンティティ形成にも甚大な影響を及ぼさざるを得なかった。従来のユダヤ研究においては、ドイツ啓蒙主義の恩恵に与ったドイツ系ユダヤ人の思想や社会理論、歴史が関心の中心になってきたが、それでは全体像を捉えることは困難である。とりわけ、東欧とイスラム圏のユダヤ研究と国家・宗教問題の研究が不可欠である。そこで、本年度の研究は、以下の3点を重点的に考察し、そのテーマに合わせて、北海道大学スラヴ研究所との共同研究会・シンポジウムを6月に開催した。
1.市民的価値を優先する国家観と民族の栄光・繁栄を優先する国家観の狭間にあって、ユダヤ人が直面したアイデンティティの危機を、文学作品やユダヤ人イメージの中に探って、当該国家の主たる国民の意識との相関を考察する。
2.東欧と一口に言っても、そこには複雑な民族構成に加えて、周辺の大国による征服、侵略、移住などによって、時代や地域の社会結合のあり方に大きな変化が起こっている。そうしたなかにユダヤ人社会とそのアイデンティティの問題を位置付けることが必要となる。
3.イスラム社会の近代化の過程で、ユダヤ人とアラブ・ムスリムの多数派との政治的軋轢が起こらなかった原因としてのユダヤ人のイスラエル移民問題の研究が、他の地域との比較のために重要である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 生と死をつなぐ想像力-東欧ハシディズムの救済信仰-2006

    • 著者名/発表者名
      市川 裕
    • 雑誌名

      『異界の交錯』上巻(リトン)

      ページ: 199-235

  • [雑誌論文] 宗教理論における国家の存在理由2006

    • 著者名/発表者名
      市川 裕
    • 雑誌名

      宗教研究 247号

      ページ: 161-162

  • [雑誌論文] 失われた世界へ-東ガリツィアの戦間期からホロコーストまで2005

    • 著者名/発表者名
      野村 真理
    • 雑誌名

      中央ヨーロッパの可能性(昭和堂)

      ページ: 204-245

  • [雑誌論文] オスロ合意、ロード・マップ、ジュネーブ提案-イスラエル・パレスチナ和平プロセスの10年-2005

    • 著者名/発表者名
      池田 明史
    • 雑誌名

      中東・中央アジア諸国における権力構造-したたかな国家、翻弄される社会-(岩波書店)

      ページ: 217-241

  • [雑誌論文] ナショナリズムとしてのイスラーム-聖地エルサレムをめぐる政治-2005

    • 著者名/発表者名
      臼杵 陽
    • 雑誌名

      歴史学研究 809号

      ページ: 2-10

  • [雑誌論文] あるドイツ・ユダヤ人の非ナチ化裁判開始2005

    • 著者名/発表者名
      長田 浩彰
    • 雑誌名

      地域文化研究 31巻

      ページ: 1-33

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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