研究課題
本研究計画は、東南アジア大陸部の農山村地域を対象として、土地・農業資源と農業生産力、森林資源・森林利用、生活・生業構造、農村変容など、生業や環境を包括的に取り扱う国境を越えた統合型データベースを構築して、生態資源のポテンシャリティ、農林漁業や自然産物採取などの生態資源利用の展開過程、生態資源と生活様式や生業構造との関係を明らかにした上で、生態資源管理とその経済的・制度的・文化的背景の関連性を地域間比較の視点から解明しようとするものである。平成17年度は、平成16年度に引き続いて統合型データベースを強化した。その結果、これまでにミャンマーに関しては統計書など9冊と表形式データ471レコード、ベトナムに関しては統計書など92冊、カンボジアに関しては表形式データ308レコード、ラオスに関しては表形式データ2,940レコード、タイに関しては表形式データ73レコードをデータベース化した。これらのデータを利用して、タイにおける農業生産力分析、ベトナムやミャンマーにおける土地利用動態、タイにおける集落分布動態の分析などを進め、その成果を熱帯農業学会誌や熱帯生態学会誌、International Journal of Informaticsなどに発表した。また、土地利用変容と政治経済システムの変遷や人口動態と農業生産力に関して国境を跨ぐ地図の作成、その分析による地域間比較、国間比較を進めた。その結果、第二次世界大戦後の東南アジア大陸部における土地利用や農業生産力などの生活・生業基盤の変容は、人口増加を共通の要因としつつも、道路などの社会基盤整備の進捗状況と統治体制や市場経済システムなどの個別の国の政治経済状況を反映したものであることが明らかになった。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (18件) 図書 (1件)
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