研究課題/領域番号 |
15310169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
木村 崇 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (80065234)
生田 美智子 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (40304068)
藤本 和貴夫 大阪経済法科大学, 教授 (70029734)
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (50347613)
メーリニコワ イリーナ 同志社大学, 言語文化研究教育センター, 教授 (10288607)
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キーワード | 国際研究者交流 / 日本 / ロシア / 日露関係史 / 視覚表象 / イメージ / マス・メディア / コミューニケーション |
研究概要 |
最年度(平成15年度)には従来の研究成果を総括し、国際学会で発表し、資料の理論的な解釈を深めた。生田美智子や木村崇は『世界文化の中におけるサンクトペテルブルクのイメージ』学会で日本漂流民が見るロシア・ペテルブルクについて発表した。ミハイロバ、生田、メーリニコワは第10回全ヨーロッパ日本研究学会(ワルシャーワ)で「Revisionism through Re-vision』パネルを設定した。(発表題名:Japan's Place in Russian and Soviet National Identity, Russo-Japanese Mutual Images in the Edo Period : a Variety of Choices, Constructing the Screen Image of the Ideal Partner。ディスカーサントはICU大学の教授W.Steele)。それに加えて例会の研究会の発表と討論の結果、外国のイメージ研究方法を明らかにし、以下の結論を出した。外国に関するイメージは集合心性の特徴、心性の大潮流に不可欠な繋があり、国際関係に作用する「深層の力」の一つである。政治家・外交官はこれらを無視できない。他方、政治家はマスメディア、教育などを通じて外国についての自国民意議を形成する。視覚イメージの源泉は外国人との直接コミューニケーション、マスメディアによる情報伝達、芸術の受容である。「他者」のイメージは3つの基準を基に出現する:(1)脅威・敵としての認識;(2)自己の目標実現の可能性の認織;(3)文化的な共通・相違による認識。それらに応じて両国関係の可能性が評価される。イメージの解釈は「他者」と「自己」の大パラダイムの枠より検討するべきだが、日露関係の場合、イメージが各々国のナショナル・アイデンティティ形成を反映し、日露関係に重要影響を及ぼしている。一方、各社会は様々な社会グルップからなり、「他者」のイメージがグルップによって違う場合もあるが、ナショナリズムの登場期、少数派のイメージが抑圧されるが、ナショナリズムの低潮期、もっと多様なイメージが現れる。 なお、W.Steel教授は視覚メディア研究に貢献するために次年度以降科研費の分担者になることにした。
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