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2004 年度 実績報告書

AID当事者の語りからみる配偶子・胚提供が性・生殖・家族観に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 15310176
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

長沖 暁子  慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (80118984)

研究分担者 清水 清美  東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 助手 (70323673)
日下 和代  東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 助手 (40302872)
キーワードAID / 非配偶者間人工授精 / 出自を知る権利 / カウンセリング / 生殖補助医療
研究概要

AID当事者がAIDを通して、どのように考え、受け止めているのかその実態を知るために、AIDで生まれた人、AIDを受けた女性への聞き取り調査をすすめた。また医療関係者がどのように考えているのかを知るため医療関係者への聞き取り調査を平行して行った。これらのインタビュー、および文献調査の分析結果を発表する公開研究会を3回行い、また外部講師を招いた研究会を2回行なった。
昨年度に行なった、オーストラリアにおける聞き取り調査と、国内における聞き取り調査を比較すると、オーストラリアのAIDで子どもを産んだ女性10名のうち9名が子どもにAIDで生まれたことを告げる、または告げたと答えているのに対して、国内のAIDで治療中の女性25名のうち子どもに告げると答えたのは3名であった。この差は、法を含めた制度上の、また社会的な背景の差異のもと、当事者がどのような情報を得ているのか、特にAIDで生まれた人の考えを知っているかどうかに影響されていることが示唆された。「出自を知る権利」が認められても、親が子どもに伝えなければ、子どもは権利を行使することができない。親が子どもに事実を伝えるためには、今後、カウンセリングの義務化など法的・制度的な整備、社会の不妊・不妊治療へ理解とともに、AIDで生まれた人の考えがAIDを受ける人に伝わること、告知を助ける絵本など伝える方法の情報も必要だと考えられる。
こうした医療技術が、それを使うことによって形成される家族や、さらに社会にとって何をもたらすかを分析するためには、さらなる綿密な調査が不可欠であると思われる。今後も引き続き、AIDにかかわる当事者、医療関係者にインタビューを重ねるとともに、一般の人の意識を明らかにする調査をすすめる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Survey on Disclosure of Birth Background to Children by Mothers Who Resorted to Artificial Insemination with Donor Sperm(AID)2004

    • 著者名/発表者名
      KIYOMI.SHIMIZU
    • 雑誌名

      OCHANOMIZU UNIVERSITY The 21^<st> Century COE Program Series2

      ページ: 46-59

  • [雑誌論文] AIDを選択しているカップルのケアについて-AIDを実施して親になった女性の体験から2004

    • 著者名/発表者名
      清水 清美
    • 雑誌名

      日本不妊学会雑誌 49(4)

      ページ: 63-64

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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