研究課題
近年、国内外の宗教学界においては、19世紀以来、宗教学が自明の前提としてきた「宗教」という概念自体が特定の歴史的状況(主に近代西欧プロテスタント社会)を多分に反映したものであることが強く自覚されつつある。本年度は、昨年度にひきつづき、このような「宗教」概念に再検討を加える動向が世界の宗教研究の現場でどのような新しい成果を生み出しつつあるのかを調査した。具体的には各研究者がそれぞれの担当分野について個別に資料を収集し、分析を行った。4回にわたる研究集会においては、それらの成果を持ち寄って相互に検討した。4月、6月の会合では、おもにユダヤ教、イスラム教研究の現状を検討し、11月下旬の会合には、アフリカにおける宗教研究に精通しているオランダの社会科学研究所(ハーグ)からヘリー・テルハール教授を招聘した。さらに、研究分担者だけではカバーしきれない地域・分野に関しても、10名弱の研究助手によって、英語・ドイツ語・中国語などの資料収集・分析等の業務を行った。また、3月末に東京で開催された第19回国際宗教学宗教史会議世界大会(International Association for the History of Religions)は、60ヶ国1600人以上が参加する過去に例の無い規模となり、現在の世界における宗教研究の現状を網羅的に反映したものとなった。同大会における世界の宗教研究者たちとの学問的交流は本研究の遂行にとって絶好の情報収集の場となった。なお、同大会の準備および運営については研究代表者はじめ研究分担者の多くが中心的な役割を果たし、本研究のこれまでの成果を踏まえることによって、学問的部分について多大な貢献をなすことができた。
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宗教研究 343
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岩波講座宗教5『言語と身体-聖なるものの場と媒体-』
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