研究課題/領域番号 |
15320014
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
関 一敏 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (50179321)
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研究分担者 |
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 博物館民族学研究部, 教授 (10183063)
山中 弘 筑波大学, 哲学思想学系, 教授 (40201842)
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
月本 昭男 立教大学, 文学部, 教授 (10147928)
関根 康正 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (40108197)
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キーワード | 布教 / 改宗 / キリスト教 / コロニアリズム / モダニティ / 宗教類型 / 宗教間対話 / 表象の危機 |
研究概要 |
本研究は「布教」と「改宗」という宗教の臨界点に焦点をしぼり、個々の宗教的伝統の内発的拡大の論理と、その結果、各地に生じた歴史的事態の検討をもとに、宗教表象の危機を学問的課題へと高める方法的な試みである。モダニティとコロニアリズムという近代世界の再編成を前提として、(1)「宗教」の定義でなく、古典的分類をふまえた新たな分類原理(orthodoxyとorthopraxy)による、より適合的な宗教理念の再構成を図ること、(2)西欧キリスト教モデルの世界普及のはらむ近代のダイナミズムを脱宗教的コンテクスト(ナショナリズム、コロニアリズム等の政治経済的要因など)との接合によって、より包括的な宗教学的主題群の回復を図ること、を目的とする。 今年度は3回の全体共同研究会および2回の個別研究会において、1)問題の整理検討(方法論をふくむ)と、2)個別事例群の検討(前年度からの継続)を試みた。 1)問題整理 a)宗教の理念型としてのキリスト教モデルの析出(practiceとbeliefの一致) b)仏教、イスラム、神道との比較可能性(orthodoxyとorthopraxyの類型) c)さまざまな布教概念の模索(段階論、類型論、それぞれの宗教的伝統内の用語群) d)日本型宗教理念の析出およびアニミズムの配置(宗教の理念型[上記ab]を複数化しつつ) 2)事例群の検討 上記の問題整理のなかで、前年度にひきつづきキリスト教の布教と改宗の地域的事例群(英国、インド、日本)を検討した。またキリスト教と親近性とともに相反性をもつイスラムの事例群(西アフリカ、中東)の検討した。これによって前年度の成果である「(慣習と言語をめぐる)宣教の変異パターンの析出」と「モダニティへの改宗論」の二点にくわえ、「非宣教タイプの宗教群」の世界史的配置の問題がより明確になった。さらに補足的に個別研究会と民俗調査により宗教の基層部アニミズムに関する知見を得た。 最終の次年度は、上記目的の(2)に力を入れつつ、問題整理のb)c)d)の深化に努める。
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