研究課題/領域番号 |
15320018
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
池田 忍 千葉大学, 文学部, 助教授 (90272286)
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研究分担者 |
馬渕 明子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (30114656)
小勝 禮子 栃木県立美術館, 主任研究員 (80370865)
天野 知香 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (20282890)
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キーワード | 女性美術家 / ジェンダー / 近代国民国家 / 展覧会 / 美術批評 / 女性像 / 表象 / 芸術 |
研究概要 |
本年度は、19世紀半ばから1960年代頃までの日本、および西欧の女性美術家研究の基礎となるデータベースの構築作業を継続して行った。昨年度の基礎調査を基盤として、研究分担者および協力者は、各自の分担課題の調査と研究、および共同調査と討議を計画に沿って進め、かつそれによって得た知見を共有し意見交換を行うために都合3回の全体研究例会を開催した。 1.日本の女性美術家と女性像に関する研究:小勝は、特に日本の戦後の50年代〜60年代における前衛運動に関連した女性アーティストの活動について、2005年度に展覧会と論文にまとめるための調査を継続し、関係資料を収集、女性作家や遺族へのインタビューを行った。本年度、調査した作家の総数は30名を越え、作品調査に基づく最終的な出品作家は40名を超える。池田は、主として近代文学や評論の中に登場人物として設定されている女性美術家に関する調査を行った。さらに、研究協力者である各地の中核的美術館の学芸員諸氏、および若手研究者と共に、特定の地域環境の下で行われてきた女性の表現活動、日本の植民地時代のアジアの女性画家や、そうした歴史を踏まえた現代の女性アーティストの表現活動などについて、共同調査を行い、討議の場に参加して研究者間の意見交換に努めた。 2.西欧の女性美術家に関する研究:昨年に引き続き馬渕が19世紀後半、天野が20世紀前半を担当し、対象となる女性美術家の関連文献・資料の収集および整理を行った。女性画家データベース作成のための、国内文献調査を継続し、さらに2005年2月には、アメリカ合衆国ワシントンDCの女性美術館、およびニューヨークの近代美術館に赴き、文献収集・作品調査を両名が共同で行った。 3.全体研究例会の開催:(1)6月26日(於御茶の水女子大学)に、由本みどり氏が、1950〜60年代にニューヨークへ渡った日本人女性前衛芸術家のパフォーマンスとマルチメディア作品を取り上げ、その空間的移動が彼女らの表現にもたらした成果と日米における評価について報告。(2)11月6日(於御茶の水女子大学)に、佐藤みちこ氏が、岡田三郎の描く美人画について、日本初の美人コンテスト開催との関連で詳細に分析、女性の容貌の美しさに対する社会的規範や欲望の構築過程について報告。(3)12月18日(於千葉大学)池田忍が明治期の女性作家・評論家の文章の中に造形化される女性美術家像について、女性の職業意識や体験、芸術内部のジェンダー秩序なとの関係を踏まえて報告。第3年度は、以上の個別調査研究をさらに進展させると共に、討論を通じて近代における女性美術家の社会的位置について総括的な議論を構築していく計画である。
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