研究課題
本年度は、図像および文献史料の収集を継続、整理をおこなった。また、調査成果に基づき展覧会を開催(協力)し、論文やカタログ執筆をおこなった。概要は以下の通り。1.日本の女性美術家と女性像に関する研究:小勝は展覧会「前衛の女性1950-1975」展を栃木県立美術館で開催した。展覧会カタログの編集には協力者の由本みどり氏が参加し、また関連年表の作成には協力者の山崎明子氏と北村淳子氏(宇都宮美術館学芸員)の助力を得た。さらに参考文献作成には、宮田有香氏(国立国際美術館非常勤)の協力を得た。関連企画として、7月31日にはシンポジウム(公開研究会)を開催し、由本氏、光田由里氏らによる報告・討議をおこなった。池田は、女性美術家イメージの形成に関する調査・研究を継続し、山崎氏・吉良智子氏とともに千葉大学大学院プロジェクト報告集にその成果をまとめた。また、協力者の小川知子氏は大阪の女性画家の展覧会を企画・実現し、佐藤みちこ氏は女性像をテーマに展覧会カタログ掲載の論文を執筆した。2.西欧の女性美術家に関する研究:馬渕と天野は、西欧における女性美術家に関する調査・研究を継続し、2005年2月におこなったアメリカ(ワシントン女性美術館、メトロポリタン美術館他)での調査の資料整理を中心に進めた。その結果、美術家資料は雑誌論文、作品のカラーコピー、PCに取りこんだ画像などで作家数は約200、組織数は約20にのぼった。また、組織やグループに関しては、アカデミー・ジュリアンで学んだ女性芸術家の資料などが充実した。1月には英国リーズ大学のグリゼルダポロック氏を講師に迎えてのセミナーを天野が企画・開催し、女性美術家および女性像を巡る美術史研究の理論と実践について理解を深めた。2月には、フランスから帰国した協力者の味岡京子氏が、両大戦間における宗教美術の創造に関与した女性美術家について報告をおこなった。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (10件) 図書 (1件)
アソシアシオンで読み解くフランス史(綾部恒雄監修・福井憲彦, 結社の世界史3)(山川出版社)
ページ: 232-245
平成15〜16年度科学研究費補助金(基盤研究B)成果研究報告書 20世紀における戦争と表象/芸術(研究代表者 長田謙一)
ページ: 6-19
交差する視点-美術とジェンダー2-(馬渕明子, 鈴木杜幾子, 池田忍, 金惠信編)(ブリュッケ)
ページ: 371-395
千葉大学大学院社会文化科学研究科プロジェクト報告集 近代日本の女性美術家と女性像に関する研究(池田忍編) 115集
ページ: 1-19
ページ: 294-313
前衛の女性1950-1975(展覧会カタログ、栃木県立美術館)
ページ: 9-19
diatxt.(ダイアテキスト)(京都芸術センター刊) 16号
ページ: 139-145
季刊『前夜』 5号
ページ: 52-56
ページ: 315-345
アール・デコ(展覧会カタログ、読売新聞社/東京都美術館)
ページ: 15-28