研究課題/領域番号 |
15320026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館 |
研究代表者 |
幸福 輝 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 学芸課長 (00150045)
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研究分担者 |
栗田 秀法 名古屋芸術大学, 美術学部, 助教授 (10367675)
渡辺 晋輔 独立行政法人国立美術館, 国立西洋美術館・学芸課, 研究員 (50332143)
佐藤 直樹 独立行政法人国立美術館, 国立西洋美術館・学芸課, 主任研究官 (60260006)
金山 弘昌 日本橋学館大学, 人文系学部, 専任講師 (60327278)
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キーワード | 版画 / 古代受容 / ルネサンス / バロック / 版元 |
研究概要 |
本年度は研究の基盤を固めた一年であった。特筆すべき作業としては二つ挙げることができる。一つは16世紀ローマの版画家であり版元でもあったジョヴァンニ・バッティスタ・カヴァリエーリが制作した古代彫刻の複製版画集をデータベース化したことであり、もう一つはアントウェルペン最大の版元で自身版画家でもあったヒエロニムス・コックが出版した版画をデータベース化したことである。どちらもソフトにはファイルメーカーを用い、作者名、タイトル。制作年など、さまざまな角度からの検索を可能にしている。 当初はカヴァリエーリではなくローマの版元アントワーヌ・ラフレリの出版した版画をデータベース化する予定であったが、ラフレリ関係の文献の入手が困難で、かつカヴァリエーリに関する先行研究が割合に充実していたことから、方針を変えた。カヴァリエーリの古代彫刻版画集は同時代以降に大変な影響を与えたものなので、データベース化する重要性はきわめて高い。 二つのデータベースとも、現在文字データはほぼ入力し終わった。次年度は画像データを入力するなど、充実させてゆく予定である。 この他には、研究分担者各自がヨーロッパの図書館や古文書館で各自のテーマに沿った調査をした。ただし佐藤は体調不良のため渡航することができなかった。なお分担者の一人金山は、ヨーロッパ滞在中の研究をもとにして論文を執筆した。これはベルニーニによるルーヴル宮設計案のイメージソースに古代モティーフを描いた版画があったことを指摘したもので、バロック期の宮殿建築研究に寄与をなすものである。
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