研究課題/領域番号 |
15320031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
岩下 武彦 中央大学, 文学部, 教授 (00044735)
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研究分担者 |
江富 範子 京都女子大学, 文学部, 助教授 (90203637)
樹下 文隆 県立広島女子大学, 国際文化学部, 教授 (70195337)
千艘 秋男 東洋大学, 文学部, 教授 (20103575)
西田 正宏 大阪府立大学, 人間社会学部, 助教授 (00305608)
深澤 眞二 和光大学, 表現学部, 教授 (80218875)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 萬葉集 / テキスト / 校本 / 中世 / 享受 / 一葉抄 |
研究概要 |
研究期間中に、高岡市万葉歴史館、お茶の水図書館、刈谷市立図書館、石川県立図書館他等に資料調査に赴いた。これらの調査により、なお中世萬葉テキストの所在確認の必要なことが確かめられた。 また、合宿を京都市、金沢市、松山市、福岡市等で行い、京都女子大学、石川県立図書館、松山市立子規記念博物館、福岡県立図書館他の資料を調査収集し、本研究の成果と新たな課題を確認した。 『一葉抄』の伝本調査とその校本作成については、諸本の校異を確認し、お茶の水図書館蔵本の一部を除き、すでにデータは全て収集済みで、データベース化してある。新校本については、お茶の水図書館蔵本の調査の終了を待って、成稿の予定である。 報告書には諸本研究の成果として、千艘秋男「京都大学附属図書館蔵本『万葉一葉抄』について」、西田正宏「国文学研究資料館史料館蔵清水谷家文書本『万葉一葉抄』の本文について」の2編と、『新校本一葉抄』作成に向けて、その方向を確かめる資料として、自筆本のみに存する部分を含む巻3の一部の校異の状況を掲げた。千艘論文は『一葉抄』の伝本についての基礎調査であり、本研究の基本となるものである。また、西田論文は、清水谷本の本文考証をとおして、一葉抄の諸本系統に問題を提起し、中世萬葉集の伝来形態に新たな問題を提起するものである。 さらに、一葉抄との関連が注意される『校正一葉抄』については、監修者である賀茂季鷹門下の松田直兄書き入れの『古万葉集』(高岡市万葉歴史館蔵)や、同じく門下で『校正一葉抄』の伝来に関わる服部敏夏の編になる『萬葉集類句』の稿本と目されるものが神宮文庫に所蔵されているなど、新たな手がかりが得られつつある。これらの究明を通して、中世萬葉テキストの実態を確かめる手がかりが得られると思う。 約800字
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