研究課題/領域番号 |
15320036
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 史郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (00145765)
|
研究分担者 |
木畑 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012501)
草光 俊雄 放送大学, 教養学部, 教授 (90225136)
丹治 愛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90133686)
中尾 まさみ 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60207719)
橋本 尚江 北海道大学, 言語文化部, 教授 (00091009)
|
キーワード | 都市 / 田園 / イングリッシュネス / ブリティッシュネス / 帝国主義 / グローバリゼーション / コスモポリタニズム |
研究概要 |
産業革命以後のイングリッシュネス概念の成立を、都市の発展と農村の相対的衰退、帝国主義の展開(ブリティッシュネスとの関連)、グローバリゼーションの展開(コスモポリタニズムあるいはマルティカルチュラリズムとの関連)という3つの柱に沿ってあとづける本研究は、今年度で3年目になる。2年目まではそれぞれの大学の内部で研究会を開催していたが、今年度からは東京大学と北海道大学との意見交換という新しい要素を導入しつつ、最終報告書にむけた統一的な枠組みの構築に努めた。 具体的には、まず2005年8月22日と23日での研究会では、草光俊雄「消費社会とイングリッシュネス」、西川克之「1930年代イギリスにおけるシティズンシップ教育をめぐって」、長谷川貴彦「カルチュラル・ターンと歴史学: Peter Burke, What is Cultural History?(2004)をめぐって」、丹治愛「田園のイングランド概念の成立」をめぐって、意見を交換した。また、同年12月17日には、ロンドン大学講師、James Kneale氏に,"Englishness and 'multiculturalism' : some cultural geographies of London"に関する講演をお願いし、つづいて意見交換した。さらに、2006年3月6日と7日の研究会では、橋本尚江「変容するEnglishness :現代イギリス小説から」、丹治愛「都市を歩く:『ダロウェイ夫人』における田園主義文化と精神医学」、浜井祐三子「戦後移民受け入れの議論に見るイングリッシュネスとブリティッシュネス」、草光俊雄「19世紀中世主義とその起源:宗教、商業、政治」をめぐって、意見交換した。 総体的にいえば、19世紀後半、産業革命後の都市化の反動として、帝国主義の進展のなかで成立し理想化されていったイングリッシュネスの概念は、現在のマルティカルチュラリズムのなかで否定的概念になりつつあるということではないだろうか。
|